この星には、流れ星を見る方法があるらしい。
願って見られる流れ星など、この長い旅の中ですら、思い当たる例がない。生き物なのか、現象なのか、それともなにかの魔法なのか。それらしい話こそ集まったものの、断片は予想しか生まず、見当さえおぼろげになる。
四つの空を探して日々は経ち、世界は再び黒に覆われた。皆と剣を振るううちに、いつしか願うことさえ忘れて戦った。
幾筋もの闇を追い、空よりも遠い場所に、足を踏み入れたその先に。流れ星をつかんでいたことに、ライトは気付く。
「闇よ、お前だったのか」
流れ星はずっと隣にいた。願いごとはもう叶っていたのだ。答えるように、闇色の星の光は、両手の中でまたたいている。
305