market休日、普段の布量が多い服と違いシンプルな私服を見に纏い、伝達は食材の買い出しの為に朝の過ぎたマーケットを歩いていた。片手に先ほど買った紙袋を抱えて更に目的のものを買うために、並んだ屋台を横目に流していく。
今日は夕方から裁判官のジョゼフと書記官のヘレナとのディナーの予定があった。日々忙しく仕事の場でしか顔を合わせない三人だが、そんな日々の疲れを労うため、月に一度食事会を行っていた。その日が今日であり、今日は伝達者であるピアソンが食事を振る舞う日だった。他の二人が料理をする訳ではないので作ろうとするのはピアソンだけなのだが、二人はその料理を認めているようで伝達者の番になるとその手料理を求めた。
求められるのであれば腕によりをかけるしかない、3ヶ月に一度の手の込んだ料理のために買い物にも力が入る。
2466