ある日。「………君、またそんな所で寝ているのか」
うとうとしていると、後ろから呆れ声が聞こえた。
きっといつもの『彼』だ。
「あれ? ここってどこだったかな」
「はぁ…そのタレ目かっ開いてよく見てみなよ」
「ん?」
廃れて壊れた建物に、腐った泥のような水。所々に咲いた闇花。頭上に蠢いているのは暗黒竜ー…
「あらまぁ」
捨てられた地の辛うじてマンタがいるエリアだった。
「眠い時にこんな場所に来るなよ。草原にしろって言ってるじゃないか」
「ふふ、あなたは優しいんだね。わざわざ僕を起こしに来てくれるなんて」
「うるさい。ついでだ」
「あ、ノルデ」
体を起こし、第一に目が合ったのはとんがり帽子に黒マントの少年体躯。不服そうな顔をして自分を見下ろす彼ーー…の次に目が合ったのは青いサーチライトだった。
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