ドラロナっぽいもの 疲労感が全身を包み込む中、ロナルドは重力に逆らうように重たい足を引きずる。
疲れた。眠い。疲れた。
このままフカフカのベッドにダイビングして半日寝てしまいたい。
「ゴホ、ゴホッ……!」
最近は愛用の銃よりも拳で吸血鬼を退治することが多い気がするのに、今日はおまけに喉まで酷使して、喉がカラカラになっている。激しいボケに張り合うように大きな声でツッコミしたせいだ。
掠れた声で数回咳をして喉の調子を整えたあと、スーッと息を吸い込んだ。
「あー、クソッ!」
あと数歩で事務所兼自宅に辿り着くところで、癇癪を起したようにドンと床を踏み鳴らす。
思い出すだけで腹の中で苛立ちがグルグルと渦巻いた。余計に喉を酷使するとわかっていたのに、喉の奥底から飛び出るのはむしゃくしゃした感情だけ。
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