秋 風が冷たくなって、家の中の空気も冷えてきた。とはいえまだ秋の入り口。その上ドンシクは寒さには強い。しかしまあ気温が低くなると人肌恋しくなるもので、おあつらえ向きに今は恋人がいる。若くて健康的でそのがっしりした体格に見合った基礎体温の高さ。夏場寝るときは頼むから離れてくれ抱き込むなと懇願したら「じゃあ冷房を効かせます」と言い放ったハン・ジュウォン。ドンシクは少し距離を置いて座っている彼につつ、と近寄り腕を抱きしめるようにして体重をかけた。
「今日は寒いですね、ジュウォナ」
ドンシクを好きなことを少しも隠そうとしない彼のことだ。すぐその腕が伸びてきて抱きしめられるかと思いきや。彼の手はドンシクの手に触れ、それから何かを確かめるように頬と額に触れていった。
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