青の飴玉半透明で艶のある丸い頭はまるで飴玉のようだと、クダリは前々から思っていた。昔ノボリからもらった、ソーダ味の飴。後ろからそっと触れると、手袋をしていてもほのかに温かい。
「シャンッ」
「わ」
急にシャンデラが振り返り、クダリは反射的に手を引っ込めた。危うく白いコートに焦げ目がついてしまうところだった。
「女性の頭に勝手に触れるのはタブーですよ」とソファから声がかかる。
クダリはその隣にわざと勢いよく腰掛け、ノボリの肩に寄りかかった。化石ポケモン特集のページを開こうとして、ノボリに手を叩かれる。
「頭じゃなくて、勝手に触るのがダメの間違い」
クダリは手袋を外してテーブルに放り投げた。
「分かっているなら自重なさい」
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