山田せら

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絵日記

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メモしんしぐSS 起きない白華 加筆してペーパーになったらいいな「お姫様は王子様のキスで目覚めるっていうけど、」時雨がお姫様なら気づかないんじゃないかな、と言いながら思わず笑ってしまう。
「あれ?それとあれって関係あるのかな、起きないとキスしちゃうぞ〜っていう………これどこで見たんだっけ?」
半覚醒してはいるのだろうが、寝ぼけ眼のまま口の中で言葉をふやかしてはのみこんでしまっている彼の頬を揉んでやる、と振り払うにしてはずいぶんのんびりとした腕が空を切った。抗議のつもりだろうか。
「ほら起きて、時雨。お休みだけどこれ以上は流石に明日にひびいちゃうよ、ね?」
「ん………はい………はい………………」
「いいお返事だなあ!もーっ!丸まらないで〜!」
このところ働き詰めだったし……寝かせてあげたくはなる。だけどそうするとまた今晩寝付けずに夜更かしをし、明日も寝坊をし………となるのは今までの経験上から言っても火を見るより明らかだった。友人としても、医学の知識を持つものの端くれとしても甘やかすよりも起こしてやって身体を動かして、夜早く休ませてあげたほうが時雨のためだと重々承知で………重々、わかった上で。
「もぉ〜〜〜知らないんだからな!馬鹿!」
半ば投げやりにとなりに寝そべり頭を勢いよく撫で回してしまう。少し乱暴だったのか柔らかい髪があらぬ方向に跳ねているが、もともと寝癖がついていたのだから咎められはしないだろう。まぁ、咎めるべき本人がまだ半分以上ゆめ心地のなかで笑っているのだからいいのかもしれない。
そう、重々、重々………時雨のためには厳しくした方がいい、とわかったうえで、恋人として、普段の彼より随分あどけない寝顔になんでも許してやりたくなる気持ちの方がずっとずっと大きいのだった。とはいっても、身体のことは心配なのでこれもほどほどにしないといけないのだけど………。
「も〜、明日は泣いたって起こしてやるんだからな!後悔しても知らないよ!」
「叩いても起きなかったら?」
「え?!起きなかったら………起きなかったら、抱えてでも学校連れてく!」
「はは」
それは素敵だ、といつもよりぼんやりとした口調でこぼしながら抱きついてくる彼を引き剥がすでもなく背を撫でてしまうあたり、僕も相当甘いのかもしれない。
「さっきの………」
「うん?」
「さっきの姫と王子の話だけど、あれは寝たままの方がキスできていいんじゃないかな」
「そう?せっかくキスするならちゃんと起きてる時の方が良くない?」
無防備な寝姿にいたずらしたくなってしまう気持ちもわからなくは………ないけれど。どうせなら、起きているときにふたりのものとして共有したいと思う。目配せして、息をひそめる感じとか。恥ずかしくて互いにはにかんでしまう瞬間とか。甘やかさや、親愛の情をどうせなら伝え合いたい、と思う。
乱れてしまっている髪を耳にかけてやれば普段隠れがちな目元がよく見える。綺麗なオッドアイは残念ながら重いまぶたで半分以上隠れているけれど………、恋人の可愛い顔がよく見えることには違いなかった。
腕の中の寝ぼけた彼のすがたに、なんとなく、いま僕だけが時雨のこと見てるんだよなあ、とか、時雨のこんな顔知ってるの何人いるんだろうなあ、とかそんな思いが愛しさを呼んでいく。
やっぱり、時雨にキスをするんじゃなくて、時雨とキスをしたいと思う。………だから、起きてくれなきゃ。でも、起きないとキスするってことは………あれ?じゃあ考え方としては違うのかな………どうして起きなきゃキスするぞ、なんだろう。
「………まぁ、寝ていれば続きも出来ませんからね」
「っふぇ?!そういう意味じゃ……っ」
考え込んでいた矢先の突然の刺激的な発言に、時雨本当に眠いんだよね?!と顔を見ると半分以上船を漕ぎながら喋っているようで、特に考えていないからこそこぼれた言葉のようだった。いやいやいや、どっちにしろぼんやりしてるからってなんでも口走ってたら危ないような………。
「それとも、………ためしてみますか?」
「………………………さない!!!!もう!!!時雨の馬鹿!!!!」
「はは」
呂律が回らなくなってきたあたり、本格的に寝入り出すらしい。その予想通りに程なくして規則正しい呼吸音が聞こえて来る。とくとくとく、と穏やかな彼の心音よりずっと早い自分のそれを掻き消すように思い切り抱きしめてやる。………細い肩だ。背丈も目線も同じくらいだし、時雨の方がずっと力が強いはずなんだけどな、と思ううちに邪な想像が頭をよぎる。そしてそれは体験したことがある記憶なだけあり、妙にリアルで………、

「もーーーーー!!!!時雨の馬鹿!!!!!ねぼすけ!!!!!知らないんだからなー!!!!」

友人でも医者でもなく、恋人として、いやもっと単純に八つ当たりのように起こしてもやっぱり彼が起きてくれなかったのは………僕たちが御伽噺のお姫さまと王子様じゃないからなんだろうか?2014 文字