[カレイドスコープ]
オフの日の朝、ナックルシティの城内をオレさまは恋人のマクワと散策していた。
城の窓から注がれる朝の光が絨毯の敷かれた床を照らす。
スタジアムや大学も併設された、一般開放されている城内は日中だと観光客などで混雑する。
ゆえにのんびりと景色を楽しむとしたら早朝か夜に限られる。
「それで......キバナさん、見せたい場所とは?」
マクワが首を傾げる。
今から行くのは関係者以外立ち入り禁止のエリア、城の内装が中世の頃のまま維持されている......まあ“秘密の場所”だ。
オレ含め宝物庫を始めとした城内の管理を任されているわずかな者だけが知る場所、そこにマクワを招待しようというのが今日の散策の目的だ。
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