盃から唇までサンジは酔うとキス魔になる。
これは彼が仲間になってすぐに判明したことだった。決して酒に弱いわけではないが、ゾロやナミのようにザルという程強いわけでもない。毎度酒に溺れるほどだらしなくはないが、同年代の気心知れた若者と飲む機会など海賊になるまでのサンジには全く経験がなく、楽しさのあまりついへべれけになるまで飲んでしまうということがたびたび起こった。
キス魔、というより甘え上戸になった結果キスまで発展すると言ったほうが正しいかもしれない。
面倒見がいいとは言え表面上男に塩対応なサンジだが、酒に酔うと距離感がおかしくなる。肩を組まれたが最後、サンジが満足するまで離してはもらえない。ひげをじょりじょりこすりつけられるところから始まり、そのまま頬に、額に、酷い時は唇までキスの嵐に見舞われることとなる。
5873