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    足主

    u_and_i_and_u

    DOODLE真エンド後/n年後の足主
    直接的な描写はありませんが、体の関係があることを匂わせています。
    おかしいところがあったらビンタしてください。
    九十九点に花まる/足主 買い物に行くのに外に出ると、向かいのマンションの前で母親らしき女性と男子高校生が並んで写真を撮っているところだった。おそらくカメラを構えているのが父親だろう。母親の背をとうに追い越した若い背丈は照れくさそうにしながらもどこか誇らしげだ。身を包む制服には着古した観があるものの、若者特有のさっぱりとした清潔感があった。瞬間、目を突くような眩しさ──目の前の光景のせいか、さんさんと降る太陽のせいか、あるいはそのどちらもなのか──に目を細める。
     なんてことはないハレの日、卒業式当日の朝の光景だった。
    ──もうそんな時期か。早いなあ、まったく。
     歳を重ねるごとに時間の流れが勢いを増しているように感じる。誂えたように咲き誇る桜の花だってついこの前見たばかりのような気さえする。目の前で、地面に散った花弁が自動車に巻き上げられた。少しばかり浮遊したそれが履き潰したスニーカーの上に音もなく降りてきて、僕は足を大げさに踏み出すことでそれを払った。
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