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DOODLEヴェパシ※パーさんの仮装は捏造
10/31:ハッピーハロウィン「ハッピーハロ……おおお!?パーさんどうした!?」
満を持して迎えたハロウィン本番。仮装したヴェインは街に繰り出す前にパーシヴァルの部屋を訪れた。知らない仲でもない関係に甘んじてノックをせずに扉を開ければ、鎧を外している最中の、髪をびっしょりと濡らした姿が目に入る。
「……グラン達の悪戯だ」
「そっかー、思いっきりやられたなぁ」
思い返せば、確かにヴェインは廊下を歩いていた時、髪や服を濡らしたグランや幼い団員達の姿を見かけていた。しっかりお菓子を持っていたが、話の内容からして恐らくあれはパーシヴァルが渡した物だったようだ。愉快に話しかけると、ヴェインは怪訝そうな顔で睨まれる。
「それよりも、用は何だ駄犬」
1410満を持して迎えたハロウィン本番。仮装したヴェインは街に繰り出す前にパーシヴァルの部屋を訪れた。知らない仲でもない関係に甘んじてノックをせずに扉を開ければ、鎧を外している最中の、髪をびっしょりと濡らした姿が目に入る。
「……グラン達の悪戯だ」
「そっかー、思いっきりやられたなぁ」
思い返せば、確かにヴェインは廊下を歩いていた時、髪や服を濡らしたグランや幼い団員達の姿を見かけていた。しっかりお菓子を持っていたが、話の内容からして恐らくあれはパーシヴァルが渡した物だったようだ。愉快に話しかけると、ヴェインは怪訝そうな顔で睨まれる。
「それよりも、用は何だ駄犬」
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DOODLEヴェパシ10/30:パンプキンスープ ハロウィン前日にもなると、町はすっかり祭一色の雰囲気に染まり、様々な場所がハロウィンの飾りで埋め尽くされていた。
色とりどりの装飾に対し、誰よりも間抜けな顔を晒しそうな隣の男は、意外にも、ある飾りを見た瞬間顔をしかめていた。もっとも、それは一瞬の出来事で、声をかける間もなくすぐに想像通りの、だらしない表情に変わったため特に言及せずにいた。だが、互いの目的の店へと行くため、途中の道で分かれた後であっても、あの時のヴェインの、らしくない困り顔が頭のどこかに居座り続けた。
用事を済ませて艇内に戻れば、グラン達が何やら頭を悩ませている様子だった。理由を尋ねると、どうやら艇内に置く飾りのことで相談していたらしい。
1639色とりどりの装飾に対し、誰よりも間抜けな顔を晒しそうな隣の男は、意外にも、ある飾りを見た瞬間顔をしかめていた。もっとも、それは一瞬の出来事で、声をかける間もなくすぐに想像通りの、だらしない表情に変わったため特に言及せずにいた。だが、互いの目的の店へと行くため、途中の道で分かれた後であっても、あの時のヴェインの、らしくない困り顔が頭のどこかに居座り続けた。
用事を済ませて艇内に戻れば、グラン達が何やら頭を悩ませている様子だった。理由を尋ねると、どうやら艇内に置く飾りのことで相談していたらしい。
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DOODLEヴェパシ※パーさん不在
10/28:怖い夢 “ハロウィンが近づけば近付くほど悪夢を見やすくなる”
子供の頃読んだ絵本に、そんな一節が書いてあったような気がする。この言葉が怖くて、眠くなること自体に恐怖を抱いて、親に正直に話して、一緒に寝て貰ったこともあった。悪夢を見た記憶が少ないのは、大切な家族が傍にいてくれたからだったんだと思う。
ある日の夜。いつもの日常から、一人消えてしまう夢を見た。
名前を出すと誰の話かと尋ねられ、一緒に戦った時の話をすればその場にそんな人物はいなかったと返される。初めは冗談かと笑っていても、みんなと話している内に違和感が嫌な予感に変わっていった。これは夢なんだと途中で気付けても、何故かすぐに目を覚ますことが出来なくて、皮肉な程にいつもと変わらず経過する時間が頭の中をぐちゃぐちゃにする。
1003子供の頃読んだ絵本に、そんな一節が書いてあったような気がする。この言葉が怖くて、眠くなること自体に恐怖を抱いて、親に正直に話して、一緒に寝て貰ったこともあった。悪夢を見た記憶が少ないのは、大切な家族が傍にいてくれたからだったんだと思う。
ある日の夜。いつもの日常から、一人消えてしまう夢を見た。
名前を出すと誰の話かと尋ねられ、一緒に戦った時の話をすればその場にそんな人物はいなかったと返される。初めは冗談かと笑っていても、みんなと話している内に違和感が嫌な予感に変わっていった。これは夢なんだと途中で気付けても、何故かすぐに目を覚ますことが出来なくて、皮肉な程にいつもと変わらず経過する時間が頭の中をぐちゃぐちゃにする。
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DOODLEヴェパシ※ちょっとだけアグ兄が出ます
10/26:いたずら上手「……駄犬、何だその衣装は」
廊下で会ったパーシヴァルに声を掛けられたヴェインは、返事より先に、両手を広げて爪を立てた動物のようなポーズをとった。
「へへ、ワーウルフだぜ!かっこいいだろ!」
うきうきとした声色のまま、続けて狼の鳴き真似を始めてしまったので、パーシヴァルは堪らずそれを制する。
改めて、ハロウィン前に仮装をしている理由を問うと、寄港中の町で行われるハロウィンに向けた催し物の宣伝イベントに、ヴェインを含む一部の団員たちが仮装をして手伝うことになったらしい。
「ならば尚更だ。そのだらしない尻尾をどうにかしろ」
「ほぇ?」
パーシヴァルの目線を辿ると、衣装の尻尾がだらんと床に着いていた。歩いている時は気付かなかったが、いつの間にか外れかけていたようだ。
1742廊下で会ったパーシヴァルに声を掛けられたヴェインは、返事より先に、両手を広げて爪を立てた動物のようなポーズをとった。
「へへ、ワーウルフだぜ!かっこいいだろ!」
うきうきとした声色のまま、続けて狼の鳴き真似を始めてしまったので、パーシヴァルは堪らずそれを制する。
改めて、ハロウィン前に仮装をしている理由を問うと、寄港中の町で行われるハロウィンに向けた催し物の宣伝イベントに、ヴェインを含む一部の団員たちが仮装をして手伝うことになったらしい。
「ならば尚更だ。そのだらしない尻尾をどうにかしろ」
「ほぇ?」
パーシヴァルの目線を辿ると、衣装の尻尾がだらんと床に着いていた。歩いている時は気付かなかったが、いつの間にか外れかけていたようだ。
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DOODLEヴェパシ10/24:魔女の魔法 真っ暗な廊下を、炎のように赤い髪の少年が覚束ない足取りで歩いていた。
少年は、一部が濡れた枕を持って、ぺたりぺたりと歩いていた。気を抜くと、目の前が霧に包まれたようにぼやける。
持っていた枕に顔をうずめ、流れ落ちそうな涙を拭う。しゃくりあげないように、口元を隠す。引き返す機会を失い、少年はただ、ひたすらに暗い廊下を歩いていた。
「パーシィちゃん?」
一番聞きたかった、優しくてあたたかい声が聞こえる。
「お母様……」
月明かりに照らされ、柔らかく微笑む母の顔がはっきりと現れた。
「大丈夫。一緒にお部屋に戻りましょう」
「……はい」
母に手を引かれて寝室に戻ると、二人の兄は深い深い眠りについて、規則正しい寝息を立てていた。
1665少年は、一部が濡れた枕を持って、ぺたりぺたりと歩いていた。気を抜くと、目の前が霧に包まれたようにぼやける。
持っていた枕に顔をうずめ、流れ落ちそうな涙を拭う。しゃくりあげないように、口元を隠す。引き返す機会を失い、少年はただ、ひたすらに暗い廊下を歩いていた。
「パーシィちゃん?」
一番聞きたかった、優しくてあたたかい声が聞こえる。
「お母様……」
月明かりに照らされ、柔らかく微笑む母の顔がはっきりと現れた。
「大丈夫。一緒にお部屋に戻りましょう」
「……はい」
母に手を引かれて寝室に戻ると、二人の兄は深い深い眠りについて、規則正しい寝息を立てていた。
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DOODLEヴェパシ10/22:メメント・モリ「ハロウィンってね、死んじゃった人が戻ってくる日なんだって!」
幼いエルーンの少年は、きらきらと無邪気な笑顔を向けてヴェインに話した。
「おおー!そういえばそうだったなぁ!流石、物知りだなぁ!」
わしゃわしゃと大きな掌で頭を撫でられ、少年は耳を揺らしながらにこにこと頬を赤らめると、まだまだ足りないといった様子で話しを続ける。
「僕はね、おじいちゃんに会いたいんだ!だから今日は、お母さんと一緒におじいちゃんの好きなお菓子を買いに来たんだよ!」
それからね、あとね、と、一生懸命な少年の話に対し、ヴェインは楽しそうに何度も頷く。
ヴェインが出会ったこの少年は、食料の買い出しの為に立ち寄った店に母親と一緒に来ていた。好奇心が抑えられないのか、よっぽど外出が楽しかったのか、今ヴェインにしているように母親に何度も何度も質問を投げかけている姿がよく目立っていた。
2108幼いエルーンの少年は、きらきらと無邪気な笑顔を向けてヴェインに話した。
「おおー!そういえばそうだったなぁ!流石、物知りだなぁ!」
わしゃわしゃと大きな掌で頭を撫でられ、少年は耳を揺らしながらにこにこと頬を赤らめると、まだまだ足りないといった様子で話しを続ける。
「僕はね、おじいちゃんに会いたいんだ!だから今日は、お母さんと一緒におじいちゃんの好きなお菓子を買いに来たんだよ!」
それからね、あとね、と、一生懸命な少年の話に対し、ヴェインは楽しそうに何度も頷く。
ヴェインが出会ったこの少年は、食料の買い出しの為に立ち寄った店に母親と一緒に来ていた。好奇心が抑えられないのか、よっぽど外出が楽しかったのか、今ヴェインにしているように母親に何度も何度も質問を投げかけている姿がよく目立っていた。
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DOODLEヴェパシ10/20:甘いもてなし パーシヴァルの部屋の扉を叩いて、本人が顔を見せた瞬間、高らかにトリックオアトリートと俺が言ったのが数分前。そして、思いっきり眉間に皺を寄せながら願い下げだとピシャリと言われて扉を閉められたのが数秒前の出来事だ。
「何だよ。パーさん冷てぇなぁ」
ハロウィン前の衣装の試着のついでに、今日は非番だというパーシヴァルを揶揄いに来てみたは良いものの、あっさりと追い払われてしまった。
反応自体は予想通りだったけど、もう少し文句を言われたり追いかけられたりするかと思っていたから、時間が余り過ぎて手持ち無沙汰になっちまった。
「んじゃぁ、次はお菓子の準備でもするか……あ!」
お菓子、という単語からちょっとした悪戯を思いついた俺は、早速艇の厨房へと向かう。
1051「何だよ。パーさん冷てぇなぁ」
ハロウィン前の衣装の試着のついでに、今日は非番だというパーシヴァルを揶揄いに来てみたは良いものの、あっさりと追い払われてしまった。
反応自体は予想通りだったけど、もう少し文句を言われたり追いかけられたりするかと思っていたから、時間が余り過ぎて手持ち無沙汰になっちまった。
「んじゃぁ、次はお菓子の準備でもするか……あ!」
お菓子、という単語からちょっとした悪戯を思いついた俺は、早速艇の厨房へと向かう。
ゆゆしきゆく
MOURNINGヴェ→パシヴェがパーへの恋心を自覚する回
笑顔が見たかった理由
記念すべき初小説はヴェパシになりました
ヴェ→パシ俺のパーさんへの第一印象はそんなに良くなかった
黒竜騎士団時代から知ってはいたけど、そこから数年経ってある事件をきっかけに再会した当初もその印象は変わらなかった
赤くて強いけどおっかない奴
でも、フェードラッヘやウェールズでの一件を得て、共に過ごしていくうちにその認識は変わった
まぁ赤くて強いけどおっかないのは前提としてそれはあくまでも建前だ
本当のパーシヴァルは人のことよく見てるし、なんだかんだで断れないお人好し、でも挨拶がわりに皮肉垂れちゃうような絵に描いたようなツンデレ
そう思ったら、なんかちょっと可愛いよな
でも、どうしたことか俺はパーさんといたら喧嘩ばっかりしてしまう
それは非常に不本意だ
「仲良くしたい…
3447黒竜騎士団時代から知ってはいたけど、そこから数年経ってある事件をきっかけに再会した当初もその印象は変わらなかった
赤くて強いけどおっかない奴
でも、フェードラッヘやウェールズでの一件を得て、共に過ごしていくうちにその認識は変わった
まぁ赤くて強いけどおっかないのは前提としてそれはあくまでも建前だ
本当のパーシヴァルは人のことよく見てるし、なんだかんだで断れないお人好し、でも挨拶がわりに皮肉垂れちゃうような絵に描いたようなツンデレ
そう思ったら、なんかちょっと可愛いよな
でも、どうしたことか俺はパーさんといたら喧嘩ばっかりしてしまう
それは非常に不本意だ
「仲良くしたい…