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DONE一緒に川に入って遊びたい安定くんと濡れたくない清光くんの川遊び川遊び「清光!みて、こんな所に小川があるよ」
暑い暑い晴天の日。本丸から離れた山の中で安定はキラキラと光る小川を見つけた。川の深さはそれほどないようで、思い切っていちばん深いところまで飛び込んでみると安定の膝下あたりを冷たい清流が流れる。顕現されてからもう何年も経つが未だに本丸の周りは知らないところが沢山ある。新しい発見をした楽しさからか袴の裾が濡れるのも構わず、安定はざぶざぶと足を動かし跳ねる水を楽しんでいた。一方清光はと言うと近くの木陰に入り、頬ずえをつきながらその様子を眺めていた。
「清光もおいでよ」
「えー、俺はいいよ。濡れるの嫌いだし」
「冷たくて気持ちいいのに勿体ない」
「ここでも充分涼しい、日焼けするから俺はいいよ」
1657暑い暑い晴天の日。本丸から離れた山の中で安定はキラキラと光る小川を見つけた。川の深さはそれほどないようで、思い切っていちばん深いところまで飛び込んでみると安定の膝下あたりを冷たい清流が流れる。顕現されてからもう何年も経つが未だに本丸の周りは知らないところが沢山ある。新しい発見をした楽しさからか袴の裾が濡れるのも構わず、安定はざぶざぶと足を動かし跳ねる水を楽しんでいた。一方清光はと言うと近くの木陰に入り、頬ずえをつきながらその様子を眺めていた。
「清光もおいでよ」
「えー、俺はいいよ。濡れるの嫌いだし」
「冷たくて気持ちいいのに勿体ない」
「ここでも充分涼しい、日焼けするから俺はいいよ」
艾(もぐさ)
MEMO沖田組 / いけだやで折れなかった加州を折りに行く安定の話、というのを書きたくて書いた導入部分君のみぞ知れる (仮題)あなたは、神を信じますか。
そんなことを問われたことがある。何の変哲もない、現代遠征と称したお使いを頼まれた時のことだ。
行き交う人波と音の洪水の中、そこだけぽつんと奇妙に空いたスペース。人が減って歩きやすいなぁなんて思っていれば何てことない、人波が避けて通っていただけのそこで投げかけられた言葉に、ついうっかり足を止めて立ち止まってしまった。
ヤバ、と思った瞬間ずいと遠慮なしに距離を詰めてくる、女性とも男性とも取れない、ワンレンの長い髪をゆるく巻いた黒いロングコートの宗教勧誘者。
どうでしょう。
重ねられる言葉に、どうでしょうねと目をそらす。
この時の自分は、どうにも調子がおかしかった。頼まれたお使いの物は覚えているのに個数は曖昧で、足元はどこかふわふわしているのに思考は氷のように張りつめクリアなままで。
1092そんなことを問われたことがある。何の変哲もない、現代遠征と称したお使いを頼まれた時のことだ。
行き交う人波と音の洪水の中、そこだけぽつんと奇妙に空いたスペース。人が減って歩きやすいなぁなんて思っていれば何てことない、人波が避けて通っていただけのそこで投げかけられた言葉に、ついうっかり足を止めて立ち止まってしまった。
ヤバ、と思った瞬間ずいと遠慮なしに距離を詰めてくる、女性とも男性とも取れない、ワンレンの長い髪をゆるく巻いた黒いロングコートの宗教勧誘者。
どうでしょう。
重ねられる言葉に、どうでしょうねと目をそらす。
この時の自分は、どうにも調子がおかしかった。頼まれたお使いの物は覚えているのに個数は曖昧で、足元はどこかふわふわしているのに思考は氷のように張りつめクリアなままで。