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    warabi_hq

    TRAINING🍙の気持ちが、双子から離れて🌾さんに寄っていく過程はどんな感じだったんだろう?という妄想。
    二人もう付き合ってます。
    大人になって二人とも実家を出た前提で、何かの用事で帰ってきてるときの二人の会話。
    兄弟喧嘩「なぁ、ツム」
    「なんや、サム」
    「北さん、今頃何してはんのやろな」
    「…………」

    治の問いかけへの侑の返答はなく、雑誌をめくる音だけが静かに響いた。

    高校を卒業し、双子が二人とも実家を出た今も、実家に顔を出せば部屋にはあの頃と同じ2段ベッドが待っていた。双子が成長したからと言って、家の間取りが変わるわけではない。

    「なぁ、ツム」
    「なにて」
    「北さ「もうわかったわ!!!」」

    声と同時に上段に横になっていた侑の腰のあたりの床板が、急に盛り上がり始めた。二枚に分かれた床板の継ぎ目の部分を下段の治が器用に両足を使って押し上げているのだ。

    「こらこらこらこら!やめえや!!」

    侑が地元を離れて数年。いつの間にか、北さんこと北信介と双子の片割れ治が良い仲になっていた。いつの間にか、と言っても全く心当たりがないわけではない。おにぎり宮を開業するにあたって、いろいろと相談を聞いてもらっている様子だったし、おにぎりに北さんの育てたお米を使わせてもらうことはもちろん、稲刈りの手伝いや、田植え、野菜の収穫、最近では北さんのおばあちゃんのゆみえさんに店を手伝ってもらっていることすらあった。
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    takikomi_maze2

    ArtSummary2022お試し開催したワンドロワンライにて「年末」をテーマに書いたお話を少し直しました。
    二人は「家族になる」ではなく「家族になっていた」というのが似合うなと思います。

    今年も一年ありがとうございました!
    好きなものを好きな時にしか書けない私ですが、読んでくださり、そしてブクマなどしてくださる皆さまのおかげで楽しく創作ができました!
    来年も皆様が推しを満喫できますように✨
    良いお年をお過ごしください!
    家族【治北】「……え?」
     視界が薄暗い。おかしいと思い寝ぼけた目を開くとやはりそこは物の輪郭がぼんやりとするほど暗く、北の記憶にあるさっきまでの自室の明るさがどこにもなかった。少し横になる、と布団に潜ってからだいぶ時間が経過したことが伺えた。
    「あかん」
     すっかり寝坊をしてしまった。
     今のうちにと今日の今日まで農業機械の手入れや倉庫の整理、今後やってみたい農法や作ってみたい野菜のことを調べていると、大晦日とはいえいつもと変わらない忙しさで動いていた。そんな北を見た祖母や治から、夕食の支度はしておくから夜更かしに備えて少し休んだら、と提案を受け、台所に立ってもあまり役に立たない自覚があるため二人に甘えて二階の自室に下がった。ひんやりとした布団に体をもぐらせても大して眠気は来ないだろうと思っていたが、どうだろう、自分で思っているよりも疲労していたのかもしれない。
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    takikomi_maze2

    DONE神さんにお仕えしてる狐北さんの片想いのお話です(治←狐北さん)北さんの切ない顔が見たくて書きました。

    治北の日に向けて書いたのですが、間に合わず…でも無事に11月中に完成しました!
    長いためぽいぴくでは3つに投稿を分けています。
    力尽きて推敲はざっくりなので少しずつ直していくかもです。
    続きはこちら②→
    https://poipiku.com/1909016/7832007.html
    心の実る処【治北】① 散々ためらった末に信介は漸く戸のくぼみに指をかけた。途端、炊けた米と出汁の温かい香りが一気に胸を満たした。
    「いらっしゃいませ!」
     店内から威勢の良い太い声が響いた。
    「お客さん、店内ですか、お持ち帰りですか?」
    「えっと……」
     カウンターの向こうから帽子を被った男が同じ声量で聞いてきた。まさか選択肢があるとは知らなかった。店内を見ると座敷の席に家族だろうか、一組座っていて、数席のみのカウンター席には一人掛けていた。
     店員を見るとにこにこと笑ってこちらの返事を待っていた。
    「そこの席、空いてますか?」
     カウンターの角の席を指差すと、どうぞ、と男が着席を促した。座ってから改めて店内を見渡すと、カウンターもテーブルも深い飴色になった木材で床は石のような硬い材質でよく磨かれているのがわかった。
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    takikomi_maze2

    DONE2022年8月28日(日)GOOD COMIC CITY 28内RTS!! 36にて頒布しました無配SSです。
    良い歳になった二人の短いお話。
    SSまとめ本「雨宿りに君を想う」内のお話のとある一文と僅かにリンクしています。(本当に極々微量)
    お迎えくださった方は探してみてください😌
    喧嘩をするほど【治北】(RTS36頒布 無配SS) 喧嘩をするほど仲が良い、は結局分からず仕舞だ。
     俺が信介さんに怒られて喧嘩にすらならないだろうと思っていたのは若い頃のほんの短い間だけで、案外信介さんは頑固でムキになる。年々それは増してきたように思うけど、自分の意見が強引だと気づくとすぐに訂正して謝る柔軟さも年を重ねるごとに増していったと思う。だから結局、喧嘩になることは少ない。
     これからたくさんある二人の時間をどうしようか、と話をして、やりたいことがいっぱいあったはずなのにどちらも思い出せず、なんだったっけと笑ってしまった。お互い仕事と日常が切り離せない仕事だったから、こういう日々を楽しみにしていたのに。
     とは言え、一応二人ともまだ現役ではある。俺は店に立つ日数を減らして、信介さんも田んぼをやる時間を短くした。どちらも、もう自分でないと、という仕事の仕方ではなくなっただけだ。
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