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    norenwokugure

    モチベよアッガーレ⤴

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    POIPOI 17

    norenwokugure

    MAIKING生やす話に説得力持たせようと思っただけなんです!違うんです!生えないんです、どうして……互いに剣を打ち込み合って得る一体感、というものが羨ましくなる時がある。
    ありがとう、礼を言いながら薬を受け取るジークの、薄氷のような色の目を見るともなく見つめる。この瞳に見据えられた相手はどう感じるのだろうか。高揚するのか、あるいは絶望のようなものを感じるのか。
    「なかなかいい練習試合だったと風の噂で聞いたぞ。あちらも君とは腕試しをしてみたかったそうだから、今回のことはいい機会になったんじゃないか?」
    「手合わせだなんて、とても言えないよ。彼が私の矜恃を守ってくれただけだ」
    同郷同士で、職場も同じ、加えて生真面目な性格という共通点の多さから、ソフィとジークの関係性はもはや同僚というより友人と言っていいくらいに近しかった。いつもの堅いジークを知っている者が見れば驚くであろうくらいには、ジークの表情は穏やかに緩んでいる。
    「手合わせをしたいと正式に申し込まれた時は驚いたが……素晴らしい剣筋だった。生まれて初めて、負けるかもしれない、などという私的な感情を戦闘中に覚えたよ。最後には手加減させてしまうことになってしまって、本当に申し訳なかったと……ああいう人もいるのだな……」
    ジークの目はほん 1029

    norenwokugure

    PROGRESS閲覧数どうこうより単純に「作業進捗」つって出すのが効果的らしいと気づいたよね。こちらでは言い忘れたけどあけましておめでとうございました。「わーい、でーきた!」
     いぇーい! と歓声を上げながら、リトアナとリモネが両手を打ち合わせる。
    冬の冷たく乾いた空気が、二人の掌から発した音をビレッジ中に高く響かせた。
    その音にため息をつきそうになるのをソフィはぐっと堪えて唇を噛む。弟子であるリトアナに対しあれこれと物を申したくなるのは師匠として当然のこと。しかし余計な手出しをするのも指導者としてはいかがなものか。火薬の量は間違っていないか。花火の位置はそれで合っているか。風の向きは考えているか。ひどく怖がりのくせに大胆で危ないことが好きなリトアナのことだから、マッチを擦った瞬間に連続して花火が暴発、なんてことも考えられる。倫理的に絶対にしてはならないと頭では理解していても――さすがにそれは理解していると思いたい――抑えられるかどうか。
    不安は尽きない。頭の上に靄のようなものを浮かび上がらせそうなほどにぐるぐると思考を回すソフィの肩を、下から上がってきたディミエルが肩でこつんと押した。
    「なーに、まだ心配してるのぉ? はいコレ、ジョゼットさんから、グリューワイン。大人だけの特権よ」
    「ああ、すまない……それは当然だろう。師の私が言う 3307