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    Mayhem420Luna

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    Mayhem420Luna

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    ワンライ初参戦です

    元素擬人化ワンライ ヒ素「うふふふ、今日もいっぱいお金が溜まったわ〜やっぱり周りのやつみーんな雑魚だから簡単に騙せるわね。」
     菱形の帽子の少女は悪魔のような黒い笑みを浮かべながら札束を眺める。金、金、金。彼女の欲はお金が全てであった。あればあるだけ人々を支配できる恐ろしい物、それをたくさん手にしている彼女はまさに無敵と言えるだろう。しかしそれと同時にどこか空っぽである。何度もお金を搾取していくうちに彼女は友を失い、やがて嫌われ者として冷たく扱われるようになった。それでも彼女は改心する事なく、他者からお金を搾取する事をやめない、もはや金のためなら人だって殺せるまであった。
     この何度も、何度も、この先も、ずっと愛される事の無いと思われた少女の負の連鎖の始まりは心の底から吐き出した強い悔しさから来るものであった。彼女は元々暗殺者として暗躍していた。もちろん概念体は死ぬ事がないので正確には殺害ではなく監禁を行う事で存在を抹消していた、しかしそれでも数ある暗殺者の中でも唯一殺害が可能だと嘘をついてやっていたー他との差を出さなければ客を集めにくいからだ。彼女は汚い手を使う事に罪悪感を感じながらもそれを行っていた。そのためどれだけたくさんのお金を積まれても、当時のヒ素は欲を示す事はなかった。どれだけ汚くても、そういう仕事なのだから。所詮毒は殺す事しか取り柄のない存在で、殺す事でしか仕事をみつけられないのだ。ウランやラドンのように他の進路を追求する者だっているが、ヒ素はそれを無駄な事だと思い、仕方なく殺しをしていた。しかしそんなヒ素もやがて全て暴かれてしまった、嘘も、弱点も……そんな彼女はみんなから"愚者"と罵られる事となった、黒い獣の耳を隠す菱形の帽子を侮辱された彼女はその時から壊れてしまったのだろう……いいえ、もっと前から壊れかけだったのかもしれない。
     こうして今まで渋々頑張ってきた事も全て壊れてしまった。悔しくて悔しくてたまらない、憎い、二度と私を"愚者"と呼べなくしてやりたいと立ち上がった時に目についたのが大量の札束であったーこれだ。金は恐ろしい、金は欲が注ぎ込まれた小さな金属片と紙切れである。それは利用した"雑魚共"だけでなく、ヒ素……彼女自身ですら金の欲で汚れてしまった。そうして彼女は自分は愚か者ではないという幻想を見て、陶酔して、溺れていった。もう一度"相続の粉薬"としての威厳を、恐怖を、もっと……
    「札束もらったくらいで尻尾振ってるの本当に見苦しいわね、雑魚はどっちかしら。」
     そう語りかけるのは唯一ヒ素に友好的に近付く元素であった。白黒の二重螺旋の髪、赤い軍服、目の色と共に中身が変わる多重人格、何よりも毒でありながらも生を支える……その名をリンと言う。普段の彼女はあまり強い口調で物を言う事がないのだが目が黄色に染まれば途端に強く、高圧的で嗜虐的となる、しかしヒ素の事はそこまで傷つけない。そんな彼女との出会いはヒ素が金銭を得るために行った、"嘘の論文作戦"に巻き込まれた事であった。結局それが上手くいく事がなかったが、リンはヒ素の事を気に入ったらしくあれほど周りが拒絶する中、リンだけはヒ素に積極的に近付くようになった。
    どんな汚い手を使ってでも強くなろうとするものの、上手くいかない。正直もう諦めてただちょっと毒のある弱い元素として空気となってみんなに忘れられて終わるほうがはるかに楽なのかもしれない。しかし、それでも彼女は父からもらったこの菱形の帽子に見合う元素にだけはなりたかった、だから……
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    Mayhem420Luna

    DONEワンライ初参戦です
    元素擬人化ワンライ ヒ素「うふふふ、今日もいっぱいお金が溜まったわ〜やっぱり周りのやつみーんな雑魚だから簡単に騙せるわね。」
     菱形の帽子の少女は悪魔のような黒い笑みを浮かべながら札束を眺める。金、金、金。彼女の欲はお金が全てであった。あればあるだけ人々を支配できる恐ろしい物、それをたくさん手にしている彼女はまさに無敵と言えるだろう。しかしそれと同時にどこか空っぽである。何度もお金を搾取していくうちに彼女は友を失い、やがて嫌われ者として冷たく扱われるようになった。それでも彼女は改心する事なく、他者からお金を搾取する事をやめない、もはや金のためなら人だって殺せるまであった。
     この何度も、何度も、この先も、ずっと愛される事の無いと思われた少女の負の連鎖の始まりは心の底から吐き出した強い悔しさから来るものであった。彼女は元々暗殺者として暗躍していた。もちろん概念体は死ぬ事がないので正確には殺害ではなく監禁を行う事で存在を抹消していた、しかしそれでも数ある暗殺者の中でも唯一殺害が可能だと嘘をついてやっていたー他との差を出さなければ客を集めにくいからだ。彼女は汚い手を使う事に罪悪感を感じながらもそれを行っていた。そのためどれだけたくさんのお金を積まれても、当時のヒ素は欲を示す事はなかった。どれだけ汚くても、そういう仕事なのだから。所詮毒は殺す事しか取り柄のない存在で、殺す事でしか仕事をみつけられないのだ。ウランやラドンのように他の進路を追求する者だっているが、ヒ素はそれを無駄な事だと思い、仕方なく殺しをしていた。しかしそんなヒ素もやがて全て暴かれてしまった、嘘も、弱点も……そんな彼女はみんなから"愚者"と罵られる事となった、黒い獣の耳を隠す菱形の帽子を侮辱された彼女はその時から壊れてしまったのだろう……いいえ、もっと前から壊れかけだったのかもしれない。
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