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    yudu_630p

    @yudu_630p

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    yudu_630p

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    先月(だっけ)の寸劇やばかったですねって話をしようとして書き出したけどなんか脱線して終わった話

    初恋みたいな(てるかお)(諸々中途半端)例えばオフの日の朝、近くの店の焼きたてパンを買ってお気に入りの豆を挽いたコーヒーと一緒に頂くとか、お互いの蔵書を交換して時間の許す限り読むとか。映画を観に行くのも良いし、ちょっと贅沢なランチやディナーを楽しむのも良い。あいつのイメージではないけど、羽目を外してゲーセンなんかに行ったって良い。その手の中にあるのがクロワッサンだろうが文庫本だろうが、あるいはゲームで使う物騒な銃だろうが、あいつの中で『楽しい』とか『悪くない』とか、そういう感情が生まれていればそれで良い。丁寧に時間を重ねていった先に、蓄積されて出来た愛だの恋だのがあれば万々歳だ。
    ──とか何とか、そういった類の妄想を最近よくしてしまう。今日もついさっき、本屋で出くわした桜庭の顔を見て貴重なワンシーンを見られたことを有難く思ったばっかりだ。影響はそれだけではなく、あいつの買おうとしていたミステリー小説のタイトルがどうも気になって、元々買おうとしていた本のラインナップに追加してしまったりしていた。
    そのまま本屋を出ると、同じタイミングで桜庭とかち合って、「別におまえのプライベートには干渉しねえよ」
    「こちらも君の私生活などには興味が無い」と会話のジャブを打ちつつ、同じ曲がり角を曲がって、歩いて、気が付いたら本屋の次の目的地・仕事終わりに見つけたカフェに辿り着いていた。
    オフの日に本屋で会って、寄ろうとしていたカフェが同じで。一体どんな偶然か、それとも運命か。数分前にプライベートには干渉しないと宣言したにも関わらず「もうこうなったら一緒にコーヒーでも飲んでくか」なんて声をかけようとした瞬間、出迎えてくれた店員さんに間髪入れず「これは連れではないです一名ずつで」と言い放った桜庭により、別々の席で各々の時間を過ごすことになったのだけど。
    出来れば一緒にいたいとか、離れたくないとか。この歳にもなって、まるで初恋みたいな恋をしている。馬鹿みたいに浮かれている自分が枠の外にいて、ふと我に返ってため息をつく。最近はこれの繰り返しだ。
    だって、不毛な片思いだ。カフェの窓際で買ってきた文庫本を捲るあいつはそれだけで一枚の写真みたいな美しさがあると思うけど、目的地に向かって最短距離を選んでアクセル全開にして爆走するような男だ。出会った頃に比べれば随分と踏み込み具合は治まったものの、俺が想いを伝えることで邪魔にはなりたくない、と思う。
    枷になりたくない、拒絶されたくない、だけど好きなままでいたい──なんて、考える程臆病で、面倒だ。当たって砕けることさえ出来ないんだから、同僚というやつは一番近くて遠いのかもしれない。
    けれどいつかこの片思いの着地点を見つけられる日が来たのなら、その時はなるべく桜庭の近くにいたい。どんな形でもいいから、見える位置に。
    本から顔を上げた桜庭と視線がかち合ったので何となく笑ってみると、露骨に嫌そうな顔をされる。そうしてすぐに本の世界に戻っていくのを見ながら、今はこれぐらいの距離感でも良いと思う。欲を言うならもう少しだけ近づきたいけど。例えば、カフェスペース一席分くらいは。
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    yudu_630p

    MOURNING先月(だっけ)の寸劇やばかったですねって話をしようとして書き出したけどなんか脱線して終わった話
    初恋みたいな(てるかお)(諸々中途半端)例えばオフの日の朝、近くの店の焼きたてパンを買ってお気に入りの豆を挽いたコーヒーと一緒に頂くとか、お互いの蔵書を交換して時間の許す限り読むとか。映画を観に行くのも良いし、ちょっと贅沢なランチやディナーを楽しむのも良い。あいつのイメージではないけど、羽目を外してゲーセンなんかに行ったって良い。その手の中にあるのがクロワッサンだろうが文庫本だろうが、あるいはゲームで使う物騒な銃だろうが、あいつの中で『楽しい』とか『悪くない』とか、そういう感情が生まれていればそれで良い。丁寧に時間を重ねていった先に、蓄積されて出来た愛だの恋だのがあれば万々歳だ。
    ──とか何とか、そういった類の妄想を最近よくしてしまう。今日もついさっき、本屋で出くわした桜庭の顔を見て貴重なワンシーンを見られたことを有難く思ったばっかりだ。影響はそれだけではなく、あいつの買おうとしていたミステリー小説のタイトルがどうも気になって、元々買おうとしていた本のラインナップに追加してしまったりしていた。
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