今は、これで。気まずい。
人と食事をするのってこんなに色々気にして食べてたっけ、と思う。
あんなに気軽に毎日のように連れられて外食していたのが嘘のようで、あの時の俺達はどんな風に楽しんで食事をしていたのだろう。
「…食わねぇのか。」
「あ、いや…食う。何食べようか迷って…」
全然嘘だった。
左馬刻と和解した。誤解が解かれて抱えていた齟齬を取り除いたらお互いを憎む理由は一応無くなって。いがみ合わなくて済むようになった。でもそれでも、はいそうですかなんて昔の様にはなれないし、俺も…きっと左馬刻も昔のような関係に戻る事は望んでいないだろう。望んでいないけれど、今のままの関係を望むかと言えばそれもまた違って。飯でも行って近況報告するくらいの仲にはなりたいと俺は思っている。
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