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    owl47etc

    @owl47etc

    🦉。呪の文字置き場。

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    owl47etc

    DONE呪専夏七でデート。お外にデートしに行くイコールせっ…になってしまってる七のお話。七詰めで展示してたものです。
    パブロフの犬夏油と七海のデートは、無計画である。
    寮住まいで衣食住を共にする身であり、高専で学びながら呪術師として任務に出向く2人にとって、予定など立てるだけ無駄なのだ。立てたところで急な任務で呼び戻される、先生が不在で授業内容が変わるのが日常茶飯事なこの界隈。未成年も休日も深夜早朝も関係なく働かされてる上に怪我や死亡率も高い、一般に認知されればブラック企業堂々の殿堂入りを果たすであろう呪術師という道を選んだ時点で、私生活など無いに等しいものだ。
    特に片手で数えられる程しかいない特級に分類される夏油は多忙を極めていた。そのうちの何割かは自身の身から出た錆、五条とともにはしゃぎすぎた結果でもあるのだが。
    だから自然と、七海が夏油の休みと翌日の予定に合わせて、それでいて万が一、呼び出されても高専に戻れるような範囲に出かけられそうならば行く。良くて前日、大半は当日に突然決行する。数十分だけの部屋でのつかの間逢の瀬もあれば、外泊届を出して濃厚な時間を過ごすこともある。どうなるかはその時次第。それが2人にとってのデートだった。
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    owl47etc

    DONE呪専夏七。夏→七で、見事に夏の罠にハマる七。
    ーするり。
    指先を掠める感覚に、七海は体を強ばらせた。じゃあね、と穏やかな声と共に夏油と自分の指先が触れる。

    それがいつから始まったのか、明確に覚えていない。初めは確か寮の廊下。狭く、男4人も固まっていたから偶然触れただけなのかと思った。異性でもなく、不快でもなかったので特に七海から謝ることもせず、気にもかけなかった。
    2度目は自販機の前。灰原と共にジュースを奢ってもらったあとだ。夏油に声を掛けられ、ジュースを奢ってもらったついでに世間話をした帰り。寮に向かう七海と灰原とは違い、夏油は用があるとのことで七海達とは反対側へと歩を進めた。その時に、また、七海の手と夏油の手が触れ合った。七海の手の甲の上を、夏油の指の腹が、触れると言うよりも優しく撫ぜるようにして掠めていった。自販機のある休憩スペースは広いのに、何故触れたのだろうか。夏油と同学年の五条とは肩を組み、時折プロレス技をかけるなど距離が近い。つい先程も灰原とは随分肩を寄せて盛り上がっていた。存外パーソナルスペースが狭い人なのかもしれない。浮かんだ疑問に仮定を立てて、残ったジュースと共に喉の奥に押し込んだ。
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