ストレイジの微笑「状況は……良くは無ェな。お前らもそう思うだろう」
暗い室内。僅かな明かりが緩慢に揺れて、その男の口元を照らす。
言葉に反してゆっくりと弧を描く唇は、低い声を紡ぎ出した。
「おれとカイドウをぶつけるつもりだったんだ。麦わら達は確実に奴とやり合う」
「麦わら達がカイドウに敵うか?」
「逆に、カイドウが必ず勝てる保証も無ェだろう。フフフフッ……!白ひげだって死んだんだ」
妙な沈黙を守り続けるこの海は、いつか、大きなうねりを伴うのだろう。
それに乗れた者だけが、新時代を闊歩する事ができるのだ。
「万が一、カイドウが失脚した場合……おれ達に必要なのは、」
カイドウの寵愛が生む大き過ぎた後ろ盾。四皇が欲しがる武力の形。それに匹敵する大きな権力を手に入れる必要があるのだ。
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