二つの日記帳「ただいま、いつもビデオレターをありがとう。チェーミン、もうあんなに文字を覚えたのかい?」
「うん! 『ぱぱ』も『まま』も『おにいちゃん』も、全部書けるんだ!」
久しぶりの帰還に駆け寄るチェーミンを抱きしめながら、ブライトは我が子の成長を噛み締めていた。
文字が書けることだけじゃない。髪も背丈も伸びて、少しずつお姉さんになっている。子どもの成長は早いものだと、ブライトは家族と長く過ごせない自身の職務を少し恨んだ。
もうすぐ五歳を迎えるチェーミンはトレードマークの赤いリボンを着けておめかしをして、自分の帰りを迎えてくれた。なかなか一緒に過ごすことのできない自分を思ってこの姿を選んでくれたのかと思うと、目頭が熱くなるのを感じた。
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