いろいろもどき「広すぎだろ、ここ……」
どれだけ歩いただろう。暗く入り組んだ通路をひたすら進んできたものの、同じような造りが続いていて一向に出口が見えない。
ヴェストは“兄弟”が近くにいればわかると言っていた。出口付近に向かわされたはずの兄弟の気配はするものの、位置がわからないという。つまり、出口は近くにあるはずなのに未だたどり着けていないということだ。
「プロイセン、大丈夫か。もしかして足が痛むんじゃ……」
背中から神聖ローマが声をかけてくる。さり気なく右足を庇いながら歩いていたのがバレたのだろう。最初にヴェストと戦ったときに蹴られた部分が熱い。多少腫れているかもしれないが、骨が折れている様子もないしツバつけときゃ治る。ただ、人ひとり背負って長時間ぶっ通しで歩いていたためか、かすかにしびれを感じはじめていた。
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