よあれい
「……」
列車が揺れる音。
周りには自分と同じくらいの子供がいる。
列車に灯りはない、暗闇の中でただ揺られ、どこに行くのかも定かではない。
オレはこわくなかった。
これが自分の使命だと、分かっていたからだろう。きっと。
「…ねぇ」
ただ車窓を眺めるオレに、話しかけたもの好きがいた。
「…何?」
その子はオレよりも小さくて、これから戦士になるには弱そうな女の子がいた。
オレの声にビビってるみたいだ。肩をびくっと震わせた。
「…あなたはなんでここにきたの」
ただの子供だと思っていたけれど、もう自分というモノをわかっているんだと感じた。
「…強くなりたいから」
ぶっきらぼうに、そう言った。
「わたしみたいに、捨てられてないんだね」
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