無題どうでもいいこと、どうでもよくないこと、何もかもをきっかけに、何百年も口喧嘩をしてきたんだ。もう飽き飽きだというのについカッとなってバッと吐いてしまう。ネロは目をかっぴらいて、よく知る憎たらしい顔を見ていた。これ以上何か言ってくると言うのならグーで殴ってやるつもりでいた。なのに、は、と、気の抜けた息が漏れてしまう。
しがみつくように抱きしめられたのだ。
ブラッドリーは、さっきまでの勢いはどこへやら、ネロの背中に腕を回して、溜息をつくように呟く。
「…正直言って、てめえがどうして怒ったのか分からねえ」
「……喧嘩売ってんのか?」
「ちげえよ、逆だよ、それでも喧嘩したくないんだよ」
呆気を取られる。咄嗟に、言葉を返す。
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