小さなツヅラの大きなオバケ【五七】「僕は七海の恋人になりたい」
「は?」
共同任務完了直後。帳が上がるその瞬間。
アノ人は理解不能な言葉を発した。
青空が広がり、後始末の補助監督達がわらわらと入ってくる。五条さんはそのまま何事も無かった様に用意されていた車に乗り込んだ。一人ポツンと残され立ち竦んだまま、突然の言葉に処理能力が追い付かない。唐突に一言だけ。今までそんな感情も言葉とまったく向けられたことはない。ただの先輩後輩。ただの呪術師同士。しかもなぜこのタイミング。特に変わったこともなく平坦に流れる日常の一瞬。
意味が 分からない。
「七海さーん!コッチの車にどうぞ!今日はお二人共立て続けに出ていただく事になってしまいましたね。本当にすいません」
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