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    an_nyarooo

    腐/ガウェロビ/DOMAN
    @an_nyarooo

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    an_nyarooo

    MOURNINGメモテスト 大昔に書いたぐだロビ的な何か森がざわめき、目の前で燃える小さな火は大きく揺らいだ。幸い火が消える事はなかったが、この風だ。念のために木の枝をいくつか折って火の中に放り込めば、それまで弱々しかった火は少しばかり勢いを取り戻してくれた。指の先にじわりと伝わってくる熱に、立香はほっと息をつく。
     しかし指先の温かさとは対照的に、背中の方は少しばかり寒い。カルデアから支給された制服は耐熱、耐寒共に優れている。歩き回っている時は気にならないのだが、こうして夜にじっとしていると、やはり風や空気の冷たさがわかってしまうのだ。
     少しはマシになる事を期待して、肩をかき抱き体を丸める。けれど冷たい風は容赦なく背中にぶつかってくる。カルデアにならば自然環境に適応できるだけの魔術礼装があるのかもしれないが、あそこに戻るまでにはまだ時間を要するだろう。つまり今はただ耐えるしかないのである。
     思わず嘆息を漏らしかけたその瞬間、不意に背中に感じていた寒さが消えた。肩に、何かがかけられたのだ。手を伸ばしてそれに触れれば柔らかな布の感触。立香が振り返れば、そこには緑衣を纏った痩躯の男が呆れたような顔をして立っていた。
    「寒い時は寒いってちゃん 9999