ショタバステ 膝の上でじっとこちらを見つめてくる、大きくて紅い瞳。頰はふっくらしていて、いつもの美しくも睨みつけてくるような顔ではない。腕の中には、甘い茶髪で秋頃に見慣れた白い王子然とした衣装を身に纏った子どもがいた。話は少し前に遡る。
年明けから再び復活したメメントスで、いつものように怪チャンの依頼をこなしていた。ターゲットを改心させ、次のターゲットを探しに移動をしようとしたら妙なシャドウ達と戦闘になってしまったのだ。連戦の疲れも多少あり、一瞬の隙を見せてしまった。攻撃が避けきれない、というところでクロウが庇って代わりに攻撃を受けることとなってしまったのだ。
「クロウ!」
すぐさまペルソナを召喚してスキルを放つ。相手も体力が少なかったのかそのまま黒い霧となって消えた。吹き飛ばされたクロウに駆け寄り、回復スキルをかけようとペルソナを付け替えながら声をかけた。
1964