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    こみち

    相心中心。

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    こみち

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    *相心*

    心操プロヒ設定。
    R18ではありませんがそういう表現があるので一応ワンクッションのポイピク使用。
    ご注意下さい。
    二人がイチャイチャしてるだけの話です。
    先生生徒ゴッコとか耳裏の匂いとか性癖を練りこみました。
    本番表現はまだまだハードルが高いので、少しずつ練習。

    #相心
    mutualAffectionOrLove
    #hrak【腐】

    個人的アロマテラピー 深夜二時。
     丑三つ時と言われる時刻だ。
     作業に目処がついたところで、操作していたキーボードから指を離した。
     水分の奪われた眼に目薬をひと差し。じわりと染みる。
     期末試験が近くなるこの時期の仕事量は膨大なものになる。普通科であれば筆記試験のテスト問題だけを考えればいいのだが、ヒーロー科ではそれに実技試験が加わる。その内容と危機管理体制の見直しなどで、仕事量が一気に増えるのだ。あらかじめ準備をするようにはしているが、それでも持ち帰って作業することが多くなってしまう。何よりも生徒の安全を確保しつつ、実力の上限を判定できる内容にしなくてはならないのだから骨が折れるというものだ。
     ふうっと大きく息をついて作業をしていたソファの後方を見やると、寝室のドアが開いたままになっている。
     変化した関係にやっと慣れてきた恋人は、ここのところ少しだけ甘えた素振りをしてくれるようになった。それでもまだ明確な表示ではないけれど。
     例えば、この開いているドアがそれだ。作業を邪魔してはいけないからとおとなしくベッドで眠ってはいるが、気配は感じていたいらしい。
     そのささやか過ぎる意思表示に思わず笑みがこぼれる。自分としてはもう少し積極的になってくれてもいいと思うのだが、如何せんそれが不得手なのだから仕方がない。まあ、それはお互い様というところだろうか。
     そろそろ眠気が勝ちそうではあるが、それよりも精神的なエネルギーが枯渇しているのを感じる。そういえば、ここのところ忙しくて十分な補給ができていなかった。ここ数日を思い返してそう思い至る。
     ならば補給させてもらおうと、テーブルに広がった資料をざっくりと纏めて、パソコンの電源を落とす。リビングの電気を消してさっさとと寝室に向かった。



     照明が消された室内にはうっすらと月あかりが差し込んで、目が慣れるまでにそう時間はかからなかった。
     壁に向かって眠っている恋人を起こさないようにそっとベッドに潜り込む。
     布団からはみ出てしまっている肩口は、規則正しく上下していて十分に眠りの中だと伺い知れた。そっと布団をかけなおして、眠る前に少しだけ寝顔を見ておこうと覗き込む。
     仕事中には鋭い視線を送っているだろう瞳も今は閉じられ、少しだけ開いた唇の無防備さがその安心を表していた。その事にひどく満足感を感じる。
     竜胆色の髪をかき上げて耳の付け根に鼻を寄せる。耳の裏。フェロモンが出ているとかいう場所。信じてはいないが、良い匂いがするのは確かだ。
     これは在学中から変わらないが、年を重ねる毎に濃厚になってきている気がする。
    「……ん…。…終わったんですか?」
     ごそごそと触れたせいで目を覚ましてしまった恋人が、うっすらと目を開いて振り向いた。少し掠れた声がじわりと欲を刺激してくる。
    「ああ。目処がついたよ」
    「お疲れ様…」
    「起こしちゃって悪いね」
     いえ大丈夫です、と言いながらそろそろと擦り寄ってくる恋人のこめかみにそっと唇を寄せる。そのまま耳の付け根に鼻を寄せてスンスンと香りを楽しむ。どこか甘さを含んだその香りは何よりも心の安寧をもたらしてくれる。眠気のために上がった体温のせいで殊更濃厚になっているそれは、いつも以上に鼻先を楽しませてくれた。耳裏から首筋にかけて楽しんでいると、クスクスと声がする。
    「消太さんって疲れるとそれしますよね?」
    「ん?……そうか?」
    「そうですよ。俺がまだ学生の頃にもされたことありますもん」
     そうだったかと記憶を探る。
     始まりは確か、日常になっていた放課後のマンツーマンでの訓練が終わった時だったろうか。その日はたまたま連日のヒーロー活動が加わって碌な睡眠時間を確保できていなかった。当日の予定を終えた安心感からか、どこか意識を飛ばしていたのだろうと思う。言うなれば日頃総動員している理性の活動が鈍麻していたのだ。帰る準備をしている心操が目の前でしゃがみこんで荷物の整理をしていた。何気なく視線を送れば、これまで意識して見ることの無かった耳裏が跳ねる髪の隙間からチラチラと覗いていたのだ。理性の不足している状態の眼にそれがとても魅力的に見えたのは確かだ。それにいつも可愛がっていた野良猫とご無沙汰だったという理由もあるかも知れない。
     気が付けば、そっと近づいてそこに鼻を寄せていたのだ。
     汗の匂いに混じった微かな甘さに、また理性が少し去っていったことは覚えている。
    「……ああ。そうだったな…」
     あの時の驚いた心操の顔は今でも覚えている。頬だけでなく耳や額まで赤く染めて、初心な反応が可愛いったらなかった。その場で組み敷くことをしなかった自分を褒めたい程だ。
    「今度のテストは難しいですか?…先生」
    「おい……」
     もう先生と呼ばなくていいと言っているだろうと続けそうになったが、悪戯を思いついたような顔に、その意図を汲み取った。
    「ああ。今回は難しいぞ。よく復習をしておけ」
    「それは大変だな。……どこから出るのかだけでも教えて下さいよ」
     お願い、と語尾を甘く溶かして、そっと唇が寄せられる。
     ちゅっとリップ音を残して離れたそれを追いかけて、体の下に引き込むように仰向かせた。
    「色仕掛けか?……悪い子だな…」
     与えられたそれよりも一層深く唇を重ねる。角度を変えてやんわりと舌を差し込んだ。ちゅくちゅくと響く音が、じわりと熱を上げていく。
     窓の外からは時々車が通る音だけ。舌を絡める卑猥な音に刺激されたのはお互い同じだったようで、大体がやわりと首に巻き付けてくるはずの腕は動かされないままだ。代わりに指先でスルスルと髭をなぞられる。
     そういう気分の時ほど、キスの合間にこの可愛い恋人はよく無精ひげを撫ぜる。それに気づいたのはごく最近だ。どうやらお気に入りらしく、最中に太ももの内側やら臍の周辺やらをそれでなぞってやると良い声を上げるのだ。
     差し出された舌をジュルっと音がする程に吸い上げてから唇を離す。
    「ふ……ぁ…」
     二人の間を、濡れた筋が一本つないでいる。
     既に瞳を潤ませた恋人の唇の端、頬、耳と唇を移しながら、やっぱりこれだな、と耳裏に舌を這わせた。
    「あっ…」
     いつもは低くまろい声が高く響く。俺以外が知ることのない声だ。
     明日も仕事、なんて俗物的な思考はすでに霧散している。
     さあ、どうやって愛そうか。
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