航海初日
いよいよ今日から新大陸を出て航海を始める。
ルイは朝起きてから簡単に朝食を済ませて、トランクを荷車に積んでいた。その間、ツカサは二階で翼を繕っている。
すると、誰かが扉を叩いた。
誰がきたのだろうかと、警戒しながら扉を半分だけ開くと、気の弱そうな男が寒くもないのに震えながら立っていた。
不審だ。しかし、男は、これから航海を共にする水夫の一人らしい。なんのためにここに来たのかを問えば、彼いわく、船の方でトラブルがあったのだという。
水夫同士が殴り合っていて、止めようとしたバルトロメオは早々に倒れてしまった、らしい。彼ならありえなくない話だ。
扉の前で震える水夫は、倒れたバルトロメオからルイの家を聞き、ここまで来たのだという。
27023