救いの無い話 たくさんの作品を見た私はどうしても彼に聞きたい事があった。
苦労して探し出して(この一文は例えば『ロナ戦』全〇×巻に匹敵する冒険があったけれど)
インタビューに答えてくれた彼は『この話に、救いは無い。』と言って、暗い瞳でぽつりぽつりと語り始めた。
とうとう辻田は、神在月を噛む事にした。
彼がコンビニの店員と話す事にすら焦れた気持ちになり、その晩は彼が気絶してしまうまで抱いてしまった。
初めて相思相愛と言えるほど、お互いを求め合える相手だった。
だが辻田にその膨れ上がる感情をいなせる程の人生経験が足りなかった。
ある満月の晩、ナギリは原稿を終えた神在月をすぐに休むよう諭した。
何か特別な事を用意してくれているのだな、と神在月は嬉しそうに、従った。
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