『借りてきた猫』エリーが来てからかなり経った。エリーは、エリスじゃない。分かってても、理解出来ない。約束は?どうなるの?私には…って、考えても、意味、無い。エリスは、死んだんだ。‘’あーなってる‘’ってことは、確実に、死んだのか。諦めるしか、ないの?─いや、まだ手は…
「イスカ?大丈夫?」
声をした方を見ると、私のベッドの横に、手をちょこんと乗せて、チサトがしゃがんでいた。
「うん…あ、チサトの方も、大丈夫だったの?」
「何が?」
チサトはキョトンとした。あぁ、そういえば。と、チサトの代償は[忘れやすい]という事を思い出す。
「うんん、何でも無いよ」
「…‘’何でも‘’、では無いんじゃないの?」
核心を突いて来たチサトに恐怖を覚える。本当に、12歳なのか?って。チサトに隠し事は出来ない。あの小林でさえ、たまに意表を突かれるのだ。(あんまし分かんなかったけど)
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