きつねちゃんパラレル1異能を使える者は人間だけではない。
人間より精度が劣るものの、動物・植物に至るまで生物には一部の能力に特化した者、気象や事象に干渉できる個体が少なからず存在している。
そんな異能持ちの動物が一匹、信玄より幸村へ贈られる事となった。
信玄からの手紙によれば、雄の狐で闇を操る事ができて変化も可能。とても賢く従順で、人間のように一兵として戦へ連れ出すのも容易い。との事であった。
それを読み、幸村は手紙を受け取ったその日から、こちらへ配属となる今日を胸を高鳴らせて待っていた。お館様のお墨付きなのだ、きっと虎のように大きく、人の姿になれば堂々とした益荒雄になるのだろう。想像しては居ても立ってもいられずに屋敷を飛び出し、門へ向かって駆け出した。
875