『神子は聖なる血を流す』設定集[※6/15更新]【登場人物】
◾️ヨハン
フルネームはヨハン・ヘルブラウ・ヴィスコンテ・ホーフハイマー。
6月24日生まれ。22歳。
名前の由来はキリストの十二人の使徒の一人「ヨハネ」のドイツ語読み。
神子信奉の強い子爵家の次男。
次男という立場から、上に立つよりも支える者としての教育を受けたため、貴族というよりも騎士道精神に寄った思考の持ち主。
基本的にはクールだけど、根っこの部分は熱い人。
完結して改めて振り返ってみると、彼は一貫して優しい人でした。まだ若いのでうじうじ悩んだりもしましたが、年齢を重ねるうちにどっしり貫禄が出てくるのだろうなぁと思います。
若いうちはレイピアを使って身軽に戦うけど、暫くしたらサーベルに持ち替えて火力高めになりそう。
◾️キリエ
12月8日生まれ。18歳。
名前はローマ・カトリックのミサ曲〈キリエ〉から由来。ギリシャ語で【主】の意味。
周囲が大人ばかりで傅かれながら育ったため、内向的で人の顔色を伺いがちだが、本来は好奇心旺盛で天真爛漫な性格。
本編では書きませんでしたが、彼の血縁関係について。キリエの母親は外国から流れてきた美貌の神聖娼婦であり、父親はそんな彼女の数多い客の中の誰かなので不明です。
彼が色事に無知なわりに、情事中やたらと扇情的に振る舞えるのは母親の血の影響……という隠し設定があったりします。
◼️クレド
キリエと同様、名前はローマ・カトリックのミサ曲〈クレド〉から由来。
クレドはラテン語で【信じる】の意味。
キリエが思い通りに動かずにイライラしてきているように、理性的に見えて実は感情的な人。
彼は作中で一番可哀想な人かもしれません。とはいえ彼のしたことは許されるものではありませんが……。
彼の過去話は必ず形にしたいですが、如何せん悲恋なので身構えてしまいますね。
◾️トマス
名前の由来はヨハンと同様、キリストの十二人の使徒の一人「トマス」より。
聖堂騎士団の団長。豪胆さも柔軟さも兼ね備えたヨハンの良き上司。
実は貴族出身。しかし政治に興味がないため騎士になったという経緯があります。
こんな上司が現実にもいたらいいなぁ。
ヨハンとキリエの関係を察していた彼ですが、それでも止めようとしなかったのには、キリエの先代にあたる神子に対する後悔があったのでした。人知れぬところで騎士としての忠誠と人としての思いやりの狭間で揺れていた方でした。
先代神子とトマスのお話はいずれ番外編という形で書いてみたいなーと思っていたり。
◼️アニュス
登場こそしていませんが、設定は作ってありました。
キリエの先代で、ヨハンの母を癒した神子。
トマスが初めて仕えた神子。
裕福な商家の長男だったが、継母とその連れ子から虐待を受け、後継者の立場も奪われていた。
神子として大聖堂に入って自身を必要としてくれる人々に出会えたことに喜び、献身的に務めを果たしたが、反面見捨てられることに恐怖を感じ、心優しくも自己犠牲的な性格でもあった。
トマスはアニュスを気に掛けており、アニュスもまたトマスを信頼していたが、はっきりと言葉を交わすことはないまま夭折。
【地名】
◾️グロリア大聖堂
キリエとクレド同様、ローマ・カトリックのミサ曲〈グローリア〉から由来。
グローリアは【栄光】の意味。
◾️プラエネステ王国
教会音楽を多く遺した作曲家・パレストリーナの名前から由来。
パレストリーナはもともとローマにある地名。ラテン語で読むとプラエネステとなります。
ちなみに、パレストリーナの名前は「ジョバンニ」。この名前をドイツ語風に発音すると「ヨハン」となります。
◾️カッチーニ湖
ルネサンス期にイタリアで活躍した作曲家、ジュリオ・カッチーニから由来。
〈アヴェ・マリア〉があまりにも有名。
◾️マレンツィオ山
ルネサンス期にイタリアで活躍した作曲家、ルカ・マレンツィオから由来。
当時【気高く優美な白鳥】と評されていたとのことから名前をいただきました。
(良い名称はないかしらと探していた中で初めて知った作曲家でした。聴いてみたら美しい作品ばかりで鳥肌が立ちました。)
【用語】
◾️ 聖堂騎士団
グロリア大聖堂に在籍する聖堂騎士たちによる武装集団。王国内でも群を抜いた精鋭部隊。
未婚の男性であることが条件であるため、平均年齢は高め。家柄も関係ないため、トマスやヨハンのように貴族の出もいれば、平民出身の者もいる。現騎士団長はトマス。
◾️ 神子
癒しの力を持って生まれた人間のこと。
自身の負った傷がすぐに癒えるという体質があるため、次代の神子を探す際はこれが特徴となる。軽傷程度ならすぐに治りますが、致命傷を負った場合は死に至ることもあります。
どの時代にも必ず一人は生まれるため、転生を繰り返しているのでは?と云われている。
物語の中では特に語りませんが、実は上記の説はあながち間違ってはおらず、起源となった神子が実は3人おり、彼らの魂が順繰りに巡っているというのが真相だったりします。