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    57ワンドロライ 第64試合『石鹸〜Soap〜』
    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi

    「おかあさん、いいにおい」

     ほにゃんとした声で呟いたのは孫家の次男である悟天だ。
     夜、今日は眠気がいつもより早くきたのか、晩御飯もお風呂も終わった悟天がソファで転寝をしていたのをチチが抱き上げたのだ。
     チチの首元に顔を埋めるような形の悟天の背中をチチが撫でる。

    「そうけ? おっかあもお風呂出たばっかだから、石鹸の匂いがしてるのかもだべな」
    「いいにおい~」
    「ふふ、悟天ちゃんくすぐったいだべよ」

     眠い悟天はいつもよりチチに甘える。すっかり乾いている我が子の髪が首筋をくすぐりチチが笑っていると、彼女の腕から我が子の重みが消えた。

    「よし、悟天、ちゃんと部屋で寝ようなー」
    「おとうさん」
    「寝てていいぞ、運んでやっから」

     父親の言葉に悟天は素直に頷き眼を閉じる。そのまますぐに寝入っていく悟天を抱いた悟空がチチににかっと笑い先ほど息子がしていたように彼女の首筋に顔を埋めた。

    「ホントだ、いい匂いすんな」
    「どさくさに舐めるでねぇ。ほら、悟天ちゃん連れてってあげてけれ。そのあと悟空さもお風呂だべよ、悟天ちゃんと一緒に寝ちまうとかナシだべよ」
    「チチが風呂上りの髪拭いてくれるって約束してくれんならすぐ入っぞ」
    「いいけんど、ほんとに髪を拭くだけだからんな」
    「いいよ、それ以上はオラからすっから」

     笑顔で言いたいことを言って次男を連れていく夫の姿を見送りながら、チチは下手すればもう一度風呂に入ることになるかもしれないと小さくため息をついた。
     
     
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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第3試合 『春 〜Spring〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge
    #悟チチ #Gochichi
    茄子に胡瓜にトマト。アスパラ、カブ、ピーマン、春菊―――。

     春に種まき、ないしは苗植えを行う作物のことを考えながら、チチは起こされて湿り気を含んだ独特の匂いのする土の香りを胸いっぱいに吸い込んだ。 

     トラクターで掘り起こされた土は黒々としていて、春の陽射しをぐんぐんと吸いこんでいるのが分かる。この、畑の「目覚める」様子がチチはとても好きだ。
     もちろん冬にも幾つか作物は育てていたが、やはり秋までに比べれば幾分縮小させていたし、この春に備えて手入れをし、休ませていた畑もある。

     雑草などで作った堆肥を含んだ土に器具を入れてひっくり返すときにわくわくすると言うと夫である悟空に笑われてしまったが、それはマイナスな意味ではなく「チチらしい」という明るくてどこか嬉しそうなそれであった。
     
     もう二度と会うことは叶わないと思っていた夫が現世の人となり、チチが生業として選んだ「農業」に加わったことで、孫家の農業はぐんと幅を広げた。
     トラクターなどを使って畑を耕していたとはいえ、パオズ山の土地はその内に大小様々な土をはらんでいることも多いし、また土も農作物を育てるにはまず土を育てて整えて 1425

    eastdragon_DB

    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第9試合 お題『夢』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    思えばずっと、自分は彼女に待たせているばかりだった。

     幼い約束を信じて、少女から乙女となるまで待ち続けた彼女。
     天下一武道会の武舞台で夫婦となりパオズ山で生活はし始めたけど、修行のために家を出れば一人きりの朝と夜を迎えさせたのは片手どころか両手、両足の指を使っても数えきれないほど。それで泣かせてしまったのも数として口にすると後ろめたさでいたたまれなくなるのだが、そこに死別が割り込んでくるとなると、もうなんともさすがの悟空とて申し訳ないどころでは済まされないと反省したくなる。
     二度の死別から現世の人となり、そこから先で、また彼女の元から離れた。

     背中にかけられた声にまともに返せなかったのはともすれば彼女を道連れにしてしまいかねなかったからだ。
     今の孫悟空という存在はこの世、あの世、どちらの存在とも言い難く、地球という星と共に在るが、個として明確であることは短い時間でしか今は保てない。

     そうなることは悟空自身の意思であるし、悔やんではいない。
     自慢の息子達が家庭を持ち、仲間達のそれぞれの人生、可愛い孫娘が孫の世話をする時の流れを穏やかに、なつかしさと羨望のまなざしで見守 1238

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第10試合 お題『りんご 〜Apple〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    二度目のあの世の住人となって、困ったことというのは実は少ない。
     もちろん息子の悟飯のこれからを父親として見ていきたい気持ちはあるが、それよりも地球という星のこれからの平穏を望むことにして甦りの方法を模索する仲間達をそれを制した。 この世が穏やかであれば、元来優しい性格の息子は必要以上に闘うことはなく学者になりたいという夢に向かって勉強をすることができる。
     武道家として我が子の潜在能力に盲目になってしまった自分ができる、願いと、罪滅ぼしだと思っていた。

     仲間達も皆、それぞれの時間を歩んでいける者達ばかりだ。ピッコロなんかは新しい地球の神となったデンデに付いてやるだろうし、多少厄介ごとがあってもなんとかできるだけの力がある。
     未来からやってきたトランクスから聞かされた、悲痛の路からは外れたはずだ。

     二度目の死でも幸い肉体は与えられた。だから、地球で生きる者達が天寿を全うしてこちらで会えるまでは存分に修行をして、己が望む武を高めていけばいい。



     そう、思っていたのだが。

    「なぁ、界王様。もうちっとなんか食うモンねぇかな?」
    「お前まーだ食うつもりなんかい」
    「いや、結構 1586

    eastdragon_DB

    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第11試合 お題『海 〜Sea〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    惑星バンパは「過酷」な環境ではあるが、ブロリーにとっては物心ついたころから生きてきた星だし、色々あったが今はチライとレモが一緒にいる。
     ソンゴクウが持ってきてくれた「家」でぐっと過ごしやすなったし、昼は暑さに夜は寒さに、食料が心もとないと不安がっていたチライとレモが笑ってくれるようになったのはブロリーには嬉しいことだ。
     ゴクウは度々バンパを訪れ食料や他に必要なものを持ってきてくれて、そしてブロリーを修行に誘う。それを数回繰り返すうちにゴクウはブロリー達を地球へと誘った。理由はブロリーが海を見たいといったからである。

     ゴクウ曰く、ブロリーは海自体はとっくに見ていて、かつその中に落ちたりもしていたらしい。
     フリーザの宇宙船が着地した場所、そしてゴクウやベジータと闘った場所こそは氷に覆われてはいたもののその下こそが「海」だったらしい。
     ゴクウから聞く地球の話で、海とは青くて広くて深い場所もあって、たくさんの生き物がいるとあった。
     闘争本能が暴走した状態だったので、海自体をよく見れていなかった。たくさんの生き物がいるなら見てみたいといったところ、ゴクウの瞬間移動なるものでの地球へ 1607

    eastdragon_DB

    TRAINING第14試合『猿〜MONKEYサル〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    ある日突然、出会ったころのような少年の姿になって自分の元に戻ってきた夫は元の姿に戻るを通り越して、スーパーサイヤ人の別の形態を得た。
     それまで髪に宿していた金色は瞳の色へと変わり、スーパーサイヤの三つ目のときほどではないが髪は背後に流れるほどの量がある。
     朱の隈取に同じ色の体毛。同色の尻尾を持つ夫は素直にかっこいいとチチは称し、その姿で近づかれても金色のスーパーサイヤ人を初めて見たときのような拒否反応は起こさない。
     それが嬉しいような、どことなく複雑なような、とは悟空の心境だ。

    「スーパーサイヤ人3んときもそんなおら嫌がらなかったべ? 髪もふもふさせてもらったもん」
    「ありゃあいい加減普通のスーパーサイヤ人とかである程度慣れてたってのもあんだろ。いっちゃん最初になって見せたときとかはまぁ不良だなんだ言われたし、悟飯のときもそうだったじゃねぇか」
    「悟空さ結構根に持つタイプだべよな。普段は黒い髪の悟空さや悟飯ちゃん、悟天ちゃんが金色の髪になっちまうと髪を染めて不良になってるってイメージになっちまってたからなぁ。我が子が非行に走るのを嘆くのは親の本能だべ」
    「オレはチチの子供じゃね 1730