10/25コバナシ(予定調和のお話) 予定がくるった…。
そんな小さな呟きにカカロットはチチを見る。
買い物をして帰ってきたエコバッグの中から取り出した牛乳パックだが、冷蔵庫の中に半分ほど中身が残っているものがある。
どうやら記憶違いで購入してしまったらしい。しかしながら、牛乳だ。飲んでしまえば問題ない。
「牛乳はまだあるってスーパーに入るまでは覚えてたんだべよ…。だどもお安いお値段見ちまって追加で買うとかじゃあなくてむしろこそすっかりキレイに忘れて買ったもんだから、なんつーか自分にがっかりしてるだ…」
些細なことだと思っていたが、金銭面というよりは記憶管理力の方で気持ちが傾いてしまったようだ。
「今日、白菜の味噌汁だったよな。予定変更で白菜と牛乳のスープにすりゃあちょうどいいだろ。俺が作るし」
「カカロットさ…っ」
「ただ単に飲んじまってもいいが、どうせならいい感じに美味いもんに変えちまおうぜ」
ちょうど夜から早朝の寒暖差に気をつけろと天気予報でも言われる気候だ、
じんわりとあたたかいもので消費できれば一石三鳥くらいになるだろう。
1.牛乳の消費。
2.あたたかい汁物で満足。
3.チチの表情が明るくなった。
以上である。