まほずし 「ヒース、何食べる?」
向かいに座るシノが嬉しそうに注文用のタブレットを操作する。
ヒースクリフがテレビで見た回転寿司屋に衝撃を受けたのは数週間前のことである。レールの仕組みや寿司以外のサイドメニューに興味が出た彼は幼馴染であるシノを誘い、近所にオープンした回転寿司屋にやってきた。
「本当に寿司が回ってる……」
「当たり前だろ、回転寿司なんだから」
驚くヒースクリフに疑問を抱くシノ。ヒースクリフにとって寿司は回らないものであり、なんなら自宅に寿司職人がやってきて握ってもらうこともあるものであった。
「ヒースいくらがあるぞ。頼むか?」
「じゃあ、俺も食べようかな」
「わかった。お、ウニもある。ヒースもウニ食べるだろ」
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