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    tomo

    @_wasabizuke

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    tomo

    PASTpixivからの移行です。

    たいへん今更松風さんが歌う虹があることを知って感動した勢いで、2007年冬に発行した榛名中心のコピー本を再録します。
    本当は秋丸も含めて四話あったのですがあまりにも別人だったので外しました。

    本のタイトルはピロウズの歌から拝借しております。
    当時の後書によると何となく榛名と阿部と三橋だなぁと思っていたようです。
    MY FOOT(榛名中心)Rain
    証明できない解も別に悪かねえよ


    意味づけなんて所詮後から後からやってくるもので、過去のそれが自分のどういった部分に属するものになるのかなんて、その時々で変容していくものだ。古傷が痛む時、それもひとつの土台であるのだと思えるのは、手中にある「今」が文字通り己の手中にあるからに尽きるわけで。傘から滴りおちる雨粒を眺めていて最初に生み出される思考なんて、あの挙動不審のエースが肩を冷やしてはいないだろうかとか、そんなことだ。
    だからこれはそれに追随するただのひとつの記憶に過ぎないのだが。

    気分屋というより妙なところで感情の交換スイッチが作動するんだと思う。気分が行動を左右する、のではなく、些細な事象によって気分が容易に変わる、のだとすれば、それは「情緒不安定」とでもいうのだろうか。国語はあまり得意ではないのでよくわからない。けれど目の前の投手にその言葉を重ねてみた時、隆也は首を傾げざるを得なかったから、やっぱりその単語は相応しくないのかもしれなかった。
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    tomo

    PASTpixivからの移行です。

    フロッピーディスクからホームページ時代の古のデータを救出したので再録します。
    お題サイトからお題を拝借して書いたものです。
    (お題サイトの名前やURLのデータは残っていませんでした。申し訳ありません。
    素敵なお題をありがとうございました。)
    灰と藍の想い10題(島準)*鳥のように不自由なひこうき

    さして興味があるわけでもない雑誌をぱらりぱらりとゆっくり捲りながら、準太はぼんやり物思いにふけっていた。背後のベッドでは何の予定も無いまったりとした午後を満喫するように、島崎がごろごろと寝返りを打っている。その気配を背中で感じつつ、一向に交わらない視線に(この体勢でそれは当たり前なのだが)準太はすこし焦れて、くるりと背後を振り返った。
    自分くらいの年頃の人間は、己を他者に理解してもらえないもどかしさや葛藤でぐるぐるしがちな気がするが、準太は自分に限っては寧ろ逆なんじゃないかと思っていた。周りは自分のことをよくわかってくれているように思う。試合中はともかくとして、日常生活においては気持ちが顔に出るタイプだからかもしれない。なんでも表に出てしまうなんて格好悪ィなあと思うけど、それがこのギスギスしない人間関係を形成するのを手伝っているのだとしたら、それもまたいいか、と思う。
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