ばなさたいむきらら「悪魔用の自白剤?」
そう言って夜会でメイクピースから渡されたのは、小洒落た装飾を施された細いガラス製の瓶だった。中身には薄い紫色をした透明な液体が入っている。
ナサニエルはその液体を照明に透かしながら、しげしげと眺める。草花を模した細かな瓶の装飾が黄金色の光を反射して、きらきらと輝いている。中の液体の色と相まって美しい。しかし、これといって特に変わったところは見受けられず、ラベルのない香水にしか見えない。コンタクト越しにはなにも映らなかった。少なくとも第三の目以上でなくては痕跡が見えない代物らしい。
「そうとも。ピンのところで手に入れた変わり種でね。そう実用性が高いわけでもないが、罰を与える手間は省ける。忙しいきみには活用できるんじゃないかと思ったが、どうかね?」
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