散々な日俺は今日すこぶる調子が悪かった。
朝から犬に追いかけられ、打ち水の水を全身にかけられ、人にぶつかられて側溝に足がはまり、その勢いでバランスを崩して石垣に肩を強打。
そして今は道のど真ん中で盛大にすっ転んでしまっている。
通り過ぎていく人達にちらちらと視線を向けられ、いたたまれない気分になる。あぁ、やっぱり大人しく家に帰っておけば良かった。
痛みやら情けなさやらで泣きそうになっていると、目の前から「大丈夫か?」と手を差し出される。顔を上げると、そこには赤毛の外国人っぽい顔立ちをした背の高い男の人がいた。
「あ、いや、すんません、大丈夫です!」
こんな所を見られたという恥ずかしさで慌てて立ち上がろうとする。が、足をもつれさせてつんのめってしまい、手を差し出してくれた人に思いきり寄りかかる、というか受け止められてしまった。本当に何やってんだ俺は。
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