吸血鬼さんと狼男くんのお話 続き二人の身長より遥かに高く塗装が所々剥がれ落ちた重厚な扉が、鈍い音を立てて開かれる。開けたのは勿論、この屋敷の主。
彼は背後に控える少年の方へ振り返ることなく先へと進み、少年もそのまま後を着いていった。
開けっぱなしの扉を閉めずに行ってしまった吸血鬼の少年達。不用心かと思うのだが、どうやら魔法を掛けているらしい。それは一体何なのか?答えは数十秒程経った後、わかるものだった。
なんと開けたままのソレが勝手に動き閉まったのである!
……だが二人にとっては普通の光景なため、特に気にすることはなかった。
「ねールックー」
「何」
「ぼくまだ夜ご飯食べてないんだ」
「あっそ」
「何だよぉ!『あっそ』って!冷た過ぎるだろ!」
「君を甘やかすと碌でもないことになるからね」
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