空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:EX「剣道着姿のアマネ、久々に見たなぁ。ヒロミもだけど」
「そもそも会うのが久々って感じだけどな」
短い夏休みを終えて、秋学期が始まってから少し経った頃。道場に姿を現したのは、アメリカに行っていた筈の汐見と空閑であった。『放課後、剣道部顔出すわ』という汐見からの端的なメッセージを受け取った篠原とフェルマーがその場所へと向かえば、既に剣道着を纏い面手拭を首に掛けた二人の男がそこに居た。
「今日の昼にこっちに戻って来たんだ」
「学校の定期便、ホント便利だよね。流石にアメリカからだと体バッキバキでさ。運動しよっかって話になって」
世界各地にある系列校間では、生徒や教員の移動の為定期的に専用機が飛んでいる。彼らはそれに乗りアメリカへと渡り、そして日本校へと戻って来たらしい。大きく伸びをしながらそう口にした空閑に、篠原は呆れたように「お前も含めて、俺ら引退した筈なんだけどな」と肩を竦めた。
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