五伏
未来捏造
デートする2人のお話
「悟さん」
少し肌寒くなった季節、枯葉がちらちらと見える公園で雪を思わせるような白い髪と澄んだ空の色を見つけてゆっくりと近寄る。
珍しく周りに人は居なくて目が覚めた振りに会う恋人だけがぽつりと腰掛けている。
なんだか寒そうに見えて少し歩幅を広くとり距離を縮める。
2人の時は〜と駄々を捏ねた大人に決められた呼び方で恋人を呼べば今気づいた訳じゃ無いくせにパッと顔を上げて嬉しそうに破顔する。
「恵、遅いよ」
「はあ?、ッ、あんたが遅れて来いって言ったんでしょうが」
にっと笑った顔で少しの文句を言われて何がしたいのか分からず眉を寄せる。
だって、そうだ、今日の朝、ベッドの中で急に言い出したのはこの人だ。
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