SUMMER VACATION! 正直、期待していた。
交際を始めて最初の夏休み、夜に送られたメッセージで「今度の週末、市内のプールに行きませんか?」なんて恋人に誘われて期待しない男がいるだろうか?いやいないだろう、もしいたとしたらそいつの欲は枯れている。僕は不機嫌をありありと映した目で周囲を見渡す。真夏のデートスポットの定番、レジャーの代名詞のひとつである市民プール、友人同士の行楽先であったり、恋人同士のデート先になるここにいるのに、僕の気分は沈むばかりだ。
「いつまでブーブー言ってるんですか?いよいよ豚にでもなるんですか貴方」
「……僕は豚じゃない」
どうしようもないモノを見る冷たい視線であいつが話しかけてくる。膝丈の水着の上には水に濡れてぴったりと張り付くラッシュガードが色白な上半身を隠している。
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