最高最優、一言にて分からされるの事「これはどういうことなのでしょうか」
そう尋ねた晴明は今、管制室にて正座をさせられていた。
その首には『私は任務中、風紀を乱しました』と書かれた札がかけられている。それに相対するように佇むのは、源氏の棟梁であった。その柳眉を吊り上げて晴明を見下ろす眼光は鋭く、並の人間であれば裸足で逃げ出す程の迫力である。……並の人間であれば。
だがしかし。その眼光を正面から受け止めるは、かつて平安京を守護せし存在、最高最優の陰陽師たる安倍晴明である。彼の総大将の威圧を受けて尚、男は平時と変わりなく口を開く。
「任務が完了し、帰還した途端にこの仕打ち。しかもこの札の……何です、これ? 全く心当たりがないのですが」
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