午前十時の幸福 いつのまにか寝ていたらしく、気がついたら洗い終わった洗濯物はすべて干し終わっていて。
昨日着ていたTシャツや、同居人の練習着や、ジーンズが、開け放たれた窓の向こうでそよぐ風に翻っている。
枕がわりにしていたクッションからゆるりと頭を持ち上げる。フローリングに直接寝ていたから体が痛い。タオルケットがわりにバスタオルが掛かっているのは、彼の仕業だろうか。
ぼんやりと、洗濯物の向こうに広がる青い空を見上げる。
そういえば、今日は気温が二十数度を越えるとか、天気予報で言っていたっけ。思いながら、目を眇める。この部屋は、方角的に午前中な直射日光は差し込まない。なのに雲一つない空はきらきらと眩しくて、目に痛い。そう思った。
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