カルガモ親子から始まる恋カルガモの親子が歩道で歩いていた。高校3年生の男子生徒が急いで携帯で連絡を入れた。どこに電話すればいいかわからなかった池場(イケバ)はとりあえず110に電話をかけた。
すぐに交番から駆けつけてくれた男性は20代後半の見た目で、ガッシリとした体躯をしていた。
「よし、いいぞ。このまままっすぐ行けば池につくぞ」
カルガモに向かって話している警官から目が離せなくなっていた。
****
翌日
「やぁ、君は昨日カルガモの電話をくれた子だね。こんにちは。どうしたんだい?」
「あ・・・の・・・」
池場の声は震えていた。用意した菓子を右手で押し出すようにサっと出す。
「あっ、抹茶クッキーかい?ありがとう。大好きなんだ、抹茶味のお菓子」
1629