Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    KukiA_Nov

    九鬼あさづ(くきあさづ)
    しがない字書きです。最近はKOFG、おべみ、放サモにお熱。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 4

    KukiA_Nov

    ☆quiet follow

    ヨミさんと包くんと真吾くんでホラーゲームして親睦を深める話、のセリフのみ。

    #KOFG

    「……なんだ」
    「ヨミさん、今お時間ありますよね」
    「ね」
    「手を離せ、俺は――」
    「今日はお仕事禁止っすよ」
    「逃したら僕たちがナギさんとお姉ちゃんに怒られちゃうもんね」
    「……ナギ様と、ゆかりに?」
    「ヨミさん、休み方も息抜きの仕方も分からないみたいだから、僕たちに一緒にヨミさんが休める方法探してほしいって」
    「迷惑かもしんないですけど、あの、一生懸命やりますから」
    「……」
    「ってことで、じゃーん」
    「……何だこれは」
    「ゲームなんすけど、俺たちじゃクリアできなくて。ヨミさんこういうの触ったことありますか?」
    「いや……」
    「はい、コントローラー持って」
    「人生初ゲームがこれでいいのかなって気はするけど」
    「画面が暗いな」
    「怖いやつなので」
    「怖い? 貴様らは金を払ってわざわざ不快な思いをしに行くのか?」
    「いや、うーん、そうなんだけどそうじゃないっていうか……」
    「ホラーゲームはこのドキドキ感がいいんだよ!」
    「あとは、やると謎が解けていく感じ……ですかね。ホラーゲームの魅力」
    「……」
    「この短編ゲーム、この間配信が始まったばかりなんですけど、まだ世界で誰もクリアできてないらしいんです。おれたちもやってたんですけど、最後まで辿り着けなくて……」
    「お前たちで無理なら俺はなおさら無理じゃないのか」
    「僕はゲームし慣れてるし、真吾さんは怪談好きだからパターンを読んじゃうでしょ? それでドツボにハマっちゃうなら、全然予備知識ない人がやってくれた方が、全く新しい方法を見つけられるんじゃないかと思って」
    「……理解はできた。それで、俺はどうすればいい」
    「えーと、まずこのボタンを押すとゲームが始まって……これが、キャラクターの移動で、こっちが視点の移動ね」
    「……動いたな」
    「あとは、自由にこの家の中を歩き回って貰えば大丈夫です。何か見つかったら、このマークが画面に出るので、ボタンを押すと写真が撮れます。家の中に仕掛けられてるポイントを全部写真に撮ると何かが起きる……はずです。多分」

    「……今後ろで何か」
    「あっ」
    「あっ」
    「……これは、死んだのか」
    「……初めてのパターンだね!」
    「は」
    「今朝から何回死んだか分かんないけどこれは見たことないっすよ」
    「攻略の糸口かも!」
    「……おい。死ぬのは失敗だろう。責めるならわかるが、なぜ喜んでいるんだ」
    「責めないですよ~だって世界で誰もクリアできてないんすよ」
    「そうそう! 死んじゃったら死んじゃったで、原因突き止めて別のルートを探したらいいんだし」
    「それが楽しいんだよなー!」
    「やっぱりヨミさん連れてきて正解! ねえ、画面酔いとかしてなかったら、もう一周しない? 多分今の、後ろで聞こえた声で振り返っちゃダメな場面なんだ。やりすごせたら、さっき開いてなかった扉が開くかも」
    「今の声ってやっぱりこの家の――」
    「えー、でも写真見てると主人公が――」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤😍☺☺👏👏👍👍👍💖💖❤💕💗💞💴💴💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    KukiA_Nov

    MOURNING擬古文で小説書いてね~というお題を受けて書いたとうらぶホラーもどき。どこかの家で起きた神隠しの話です。文法をミスっていたら薄眼で微笑みながらそっと教えてほしい。
    藤の屋敷に迷い込みて戻りたる女の童の話 今は昔、なにがしてふ家の女の童の、年のころ七つなりけるが、門さしたる家の内より煙のやうに消え失すことあり。家のもの皆ののしりさわぎ探しありきけるが、在処つゆ知れず。七日経ぬれども見出されず。父母大いに嘆き、童の日頃なれつる庭に御堂を築き地蔵菩薩の小さなるを据えて朝夕誦経し、子を連れ帰してたびたまへとて額づきて祈りしが、一年のちに下男の御堂開きたるが「あなや」といふを聞きつけ見れば、菩薩の足下に寝てゐたるを見出したりける。
     童語りていはく、「雀の子を追うて庭の藤の花の下を行き過ぎし後、見知らぬ家のうちに居たり。泣き騒ぎつつありくほどに、二十ばかりなるらむ女の、白き衣着て淡紫の目したるが、つと走り寄りて『いずこよりか来る』と問ふ。家の名を答ふれば、『この家の主の仕えたりける家なり。宿世の縁深かりし故に道の通じたるらむ。此処は常世にて人の世にあらねば、ただとくとく帰り給へ』とて、吾の手を引きて庭へ出る。あやしき庭にて、椿、梅、菖蒲、萩など、四季折々の花のひとときに咲く。庭に男あり。吾を見て『主』と呼びかけしが、その顔を見ならふことなし。名を問へば、『(収拾者注:判読不能)』と答ふ。吾、知らず。女、背を押して庭の藤の木の下を歩かす。知らぬうちに御堂の内にあり」と。
    1219

    KukiA_Nov

    MOURNINGヨミさんと包くんと真吾くんでホラーゲームして親睦を深める話、のセリフのみ。「……なんだ」
    「ヨミさん、今お時間ありますよね」
    「ね」
    「手を離せ、俺は――」
    「今日はお仕事禁止っすよ」
    「逃したら僕たちがナギさんとお姉ちゃんに怒られちゃうもんね」
    「……ナギ様と、ゆかりに?」
    「ヨミさん、休み方も息抜きの仕方も分からないみたいだから、僕たちに一緒にヨミさんが休める方法探してほしいって」
    「迷惑かもしんないですけど、あの、一生懸命やりますから」
    「……」
    「ってことで、じゃーん」
    「……何だこれは」
    「ゲームなんすけど、俺たちじゃクリアできなくて。ヨミさんこういうの触ったことありますか?」
    「いや……」
    「はい、コントローラー持って」
    「人生初ゲームがこれでいいのかなって気はするけど」
    「画面が暗いな」
    「怖いやつなので」
    「怖い? 貴様らは金を払ってわざわざ不快な思いをしに行くのか?」
    「いや、うーん、そうなんだけどそうじゃないっていうか……」
    「ホラーゲームはこのドキドキ感がいいんだよ!」
    「あとは、やると謎が解けていく感じ……ですかね。ホラーゲームの魅力」
    「……」
    「この短編ゲーム、この間配信が始まったばかりなんですけど、まだ世界で誰もクリアできてな 1222

    related works

    recommended works