無表情で少しだけ強引な綾波レイ①「碇君、あれ」
レイが指した先にあるのは青い背景に白文字で書かれた『あおなみ線』の案内板。
名古屋駅から金城ふ頭までを結ぶ第三セクター経営の鉄道路線である。
「あおなみ線・・・が、どうかしたの?」
「あやなみ線」
間髪入れずレイが呟いた。
思わずシンジがレイの顔を見るも、いつも通りのレイの横顔が"あやなみ線"の案内板を見つめていた。
「・・・綾波?あれはあおなm」
「あやなみ線」
今度は明らかにシンジの言葉に被せてきた。
2人の間に発生した沈黙の中でシンジは頭をフル回転させて次の言葉を必死に探す。
「・・・今度、"あやなみ線"に乗って、一緒に・・・レゴランドに遊びに行こうか」
「ええ」
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