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    Ddt_heron

    FGO、コハエースの明智×マックスウェルの悪魔が好きでやってます、マの眼鏡外しがち、自分設定、R18多いのでご注意。明マ〜!✌️以蔵さん好きなのでたまに殺術が仲良くしています

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    Ddt_heron

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    ハッピー明マですw
    『本のいい所はなんだろう? ーー頬擦りしたり、愛をささやいたり、抱きしめたり出来るところ。』
    『どれも人間に対して行ってもいいものだと、君が分かっていればいいのだが』

    #明マ
    thomasMackenzie

    悪魔の愛した論考今日の友人は、常になくご機嫌な様子だった。
    私が彼、マックスウェルの部屋に入室した時には既にバインダーに挟んだ書類を熱心に読んでいた。邪魔をするのもなんだと思い、軽く目線を交わしただけにして茶の準備でもするかとジャケットをハンガーにかけた。
    その間も、マックスウェルは夢中になって手元の書類を読んでいるようで、時折楽しそうにくすくすと肩を揺らしている。あまり普段感情を見ることのない彼がこんなに楽しそうにしているのが意外だった。いや、実験がうまくいった時などはこんな感じだったかもしれない。
    彼の読書の邪魔にならないよう、最低限の動きで紅茶を淹れながら、ほほえましく友人を観察する。どうにも笑みを我慢することができないらしく、ページをめくるたびに口元はゆるみ、そわそわと指先が頬の近くをさまよう。濃いサングラスのレンズで目線こそうかがえないものの、よっぽど面白いものを読んでいるようだ、今日のお茶の話題はこれを教えてもらうしかないだろう。

    「いやぁ…すみません、明智さんに全部やっていただいて…」
    「いいよ、とても夢中になっていたようだったからね」
    結局、お茶の準備を整えてしまうと、マックスウェルは自分からバインダーを閉じて席についた。読書で興奮していたのが恥ずかしいのか、はにかみながらお茶を飲む彼をほほえましく見守る。
    友人が楽しげにしていると、こちらも自然に頬が緩むというものだ。
    「それで、何を読んでいたんだ? ずいぶん楽しそうだったが」
    教えてくれるんだろう?と話を向けると、よくぞ聞いてくれましたとばかりにマックスウェルが話し始めた。
    「近く、キャスタークラスの集まりで魔術の論文の発表会があるのは明智さんもご存じですよね」
    「ああ。」
    「私は運営側として、皆さんの論文を発表前に読ませていただく立場なのですが…」
    こらえきれない、といった様子で笑顔が広がる。
    「その中に、とっても面白い方の論文があったんですよ。魔術論文としては特殊なものではないのですが…そうですね、私の分野に結構近い考えというか…妙に論理的なんです。東洋の魔術体系を手広く紹介してくれていて…それが、書き方が本当におもしろくて。一ページに一箇所は吹き出してしまうようなところがあるんですよ!」
    「ほう……」
    「どなたが書かれたんでしょう? そういえばまだ第一稿だとかで、付箋がついていますね…表紙と題がプリントされていないんですよ。とりあえず粗く書き上げたものを確認させてもらっているわけですが、ええ、もうこの段階ですでに面白いですね、他の方のも読み応えのある興味深いものばかりで、今回の発表は本当に楽しいものになりそうですよ」
    私は甘いクッキーをかじりつつ、ゆっくりとうなづきながらマックスウェルの話がいつ途切れるかと紅茶を飲んだ。
    「はぁ……いやぁ、運営側で良かった。こんなの発表当日に聞いたら…あまりに面白くて、内容に集中できません。」
    「役得というやつだな、それでだな、マックスウェル…」
    そろそろだろうか? と思い口を出そうとすると、
    「ああ、そもそもですね…やはり私の由来が概念、思考実験の定義だからなのかわかりませんが、こんなに面白い原稿を読むと、ついこの草稿に対しても興奮してしまって…」
    マックスウェルはバインダーに挟んだ原稿を振り回したり抱きしめたりと、本当に大喜びしているようだ。
    「なんだかこうやって触れたり、抱きしめたりするだけでも幸せで……、内容を思い出してくすくす笑ったり…筆者の方にはとてもできませんけど。この文章の内容がどれだけ素晴らしいか、愛すらささやきたくなります!」
    「なるほど……」
    よくわかる、と大きく二回うなずく。彼が幸せに満ちていることだけは疑いようもなく本当に良くわかったので、嘘偽りはない。
    「明智さんもちょっと読んでみてくださいよ! 私はさっきから声に出して言ってみたくてたまらなーー」
    「奇遇だな、私もさっきから言いたくて仕方なかったんだ」
    これ以上彼の熱弁を聞いていたら、レモンでもそのままかじれそうなくらいに何もかも甘い気分になりそうで、私は手元の鞄からプリントアウトしなおした『第二稿』を差し出す。
    「え……? あ……明智、光秀?」
    「東洋日本における魔術体系とその確率論的論考、拙いものだとは思ったが、楽しんでもらえたようで何よりだ――」
    もうこれ以上は我慢しなくていいだろう。
    私は、原稿を友人の胸に捧げながら、彼の耳元にささやいた。
    「それで? 作者にはできないが原稿にはできるといったこと…もう一度ゆっくり、教えてくれないか?」





    ∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
    あっ、読んでいただきありがとうございます。

    関係の無い後書き
    ポイピクに上げていくのが楽しくてついつい投稿してしまうんですが、ポイピクって……わりと画像まとめとか投稿するのも、見るのにも向いてないですか!?スマホでやると沢山画像を載せるの結構大変ですね。やはりpixivの方がいいのか………
    あ、テキスト系はそのうち画像で出力してもうちょっと見やすくします。どんどん投げていく分にはすごく良いと思いますが、見やすさは別かもしれませんしね。
    試しにAffinityパブリッシャーのソフトを触ってみたら全然わからなかったので慣れていかないとなぁ
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    DOODLEハッピー明マですw
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    『どれも人間に対して行ってもいいものだと、君が分かっていればいいのだが』
    悪魔の愛した論考今日の友人は、常になくご機嫌な様子だった。
    私が彼、マックスウェルの部屋に入室した時には既にバインダーに挟んだ書類を熱心に読んでいた。邪魔をするのもなんだと思い、軽く目線を交わしただけにして茶の準備でもするかとジャケットをハンガーにかけた。
    その間も、マックスウェルは夢中になって手元の書類を読んでいるようで、時折楽しそうにくすくすと肩を揺らしている。あまり普段感情を見ることのない彼がこんなに楽しそうにしているのが意外だった。いや、実験がうまくいった時などはこんな感じだったかもしれない。
    彼の読書の邪魔にならないよう、最低限の動きで紅茶を淹れながら、ほほえましく友人を観察する。どうにも笑みを我慢することができないらしく、ページをめくるたびに口元はゆるみ、そわそわと指先が頬の近くをさまよう。濃いサングラスのレンズで目線こそうかがえないものの、よっぽど面白いものを読んでいるようだ、今日のお茶の話題はこれを教えてもらうしかないだろう。
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    その間も、マックスウェルは夢中になって手元の書類を読んでいるようで、時折楽しそうにくすくすと肩を揺らしている。あまり普段感情を見ることのない彼がこんなに楽しそうにしているのが意外だった。いや、実験がうまくいった時などはこんな感じだったかもしれない。
    彼の読書の邪魔にならないよう、最低限の動きで紅茶を淹れながら、ほほえましく友人を観察する。どうにも笑みを我慢することができないらしく、ページをめくるたびに口元はゆるみ、そわそわと指先が頬の近くをさまよう。濃いサングラスのレンズで目線こそうかがえないものの、よっぽど面白いものを読んでいるようだ、今日のお茶の話題はこれを教えてもらうしかないだろう。
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