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    ことにゃ

    @kotonya_0318

    各種サイトで細々と活動中。19歳。
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    ことにゃ

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    バーベナの花が咲く頃にの派生作品のシナリオ情報収集パート②

    #バーベナの花が咲く頃に
    whenVervainFlowersBloom.
    #スターチスを求めて
    inSearchOfSturtis

    スターチスを求めて③*①クルール・ドレイパーのところに行く
    *②エミリア・ロンサールのところに行く
    *③一度フェデリーコ先輩の元へ戻る

    /*フェデリーコの元へ行くと情報をまとめて、今後するべきことを教えてくれる。ショートカットしても良い選択肢*/

    ①クルール・ドレイパーのところに行く
    クルール・ドレイパーは、どうやらこの時間飛行訓練だったらしく外に居た。自寮以外の、関わったことも無い先輩に声をかけるのは正直怖い。……けど、これを乗り越えなければ、僕はもっと大変な目に合ってしまうかもしれないんだ。
     よし、と小さく呟いて顔を上げると、さっきまでそこに居たはずのクルール・ドレイパー先輩は居なくなっていた。あれ!?どうして、さっきまでそこに居たのに!慌てて辺りを見回そうとしたところで、背後からぽんと手を肩に置かれた。

    「よ、問題児! 寮長にこってり絞られたか?」
    「うわぁ!?」

     クルール・ドレイパーは、いつの間にか僕の後ろに立っていた。い、いつの間に……!

    「悪いこと言わねえから本持ってんなら返しなって! これ以上は立場無くなっちまうだろ?」
    「いや、僕やってないんで……!」

     さらさらと話し始めた彼も、どうやら僕が犯人だと思っているらしい。それに否定を返せば、彼は「ふぅん」と目を細めた。

    「で、俺になんか用?さっきまで寮長会議に呼ばれてたんじゃなかったっけ?」

     クルール・ドレイパーのその発言でハッとする。そうだ、僕は目撃証言の真偽を確かめるべく彼の元に来たんだった。

    「あの、クルール・ドレイパーくんが……」
    「クルールでいーよ、長いでしょ」
    「じゃあ、クルールくんで……クルールくんが、僕が例の本を持って図書館から出て行くところを見たって、聞いたんですけど」
    「そだね」

     あっさり頷かれて、思わず拍子抜けする。そんな、言ってしまえばあなたの目撃証言のせいで僕は犯人扱いされてるようなものなのに……!

    「でも、僕はやっていないんです!別の誰かと、見間違えたのではないですか?」
    「そうは言っても、なぁ……。とりあえず、間違えなく黄寮生ではあったし、身長もまんまアンタと同じだったわけ。で、俺が見た禁書持ち出し犯は、アンタと同じ髪色、髪型、目の色、顔をしてたわけよ」

     淡々と言われてしまって、思わず竦む。そんな、それじゃあまるっきり僕じゃないか。
     ……でも、僕はやっていないんだ。それを、僕自身が信じなくてどうする。俯きがちになっていた視線を意識して上げて、再びクルールくんを見た。

    「じゃあ、それを見たのはいつですか?」
    「見たの?んーっとね、三日前の夜」
    「具体的には何時ごろ?」
    「夜のー……確か、一時とかだったかなぁ。少なくとも日付は変わってたはず」

     ……そんな時間に、彼は何をしていたんだろう。思わずじとりと見れば、彼は視線に気づいて「やめろって、そんな見つめちゃ照れるだろ?」と言いながらとても照れてるとは思えないような表情でからからと笑った。

    「……ってのはまァ冗談だとして。普通に、俺も図書館に用事があったのよ。その日までに返さないといけない本を借りてたの、すっかり忘れててさぁ。うちの寮長、本の扱いにはキビシーから。これはまずいと思って、日付変わっちゃってたけど図書館向かったわけ。……まぁ結局、センセー居なくて返却棚に入れたら、次の日の朝返した扱いになって怒られちゃったんだけど」
    「なるほど」
    「そーそー。……アンタは自分じゃないって言うけど、どう見てもアンタだったわけよ。しかも目立たない様に気使ってたのか、逆に挙動不審でさぁ、一瞬俺と目が合ったあと、すごい勢いでどっか走ってったもん」
    「だから、それは僕じゃないんですって!きっと、誰かが変身術で……」

     言いながら、言葉が尻すぼみになって行く。分かっていた、変身術は難しい学問だ。上級生ならともかく、というか上級生だって、身長を変える様な変身術をかけることは難しい。ましてや、失敗も多いこの術を、自分にかけるのは相当な勇気が居るはずだ。
     ……本当、一体、誰だったんだろう。クルールくんと目が合ったあと、どこかへ走って行ったその僕らしき誰かは……。

     ……どこかへ、走って行った?

    「クルールくん!」
    「うわなに、びっくりした」
    「その、僕っぽい人って、どこに走って行った?」
    「え?……えーっと、俺が青寮側から来て反対に走ってったから……図書館の西側、かな」

     それを聞いて、僕は「これだ!」と思った。だって、図書館の西側にある寮は、赤寮と緑寮だけだ。これは、光明が見えてきたかも知れない!

    「ありがとうクルールくん!僕、頑張るね!」
    「え?あっ、そう……」

     そう言って、僕は意気揚々と校舎に戻った。

    ②エミリア・ロンサールのところに行く

     こんこんこん、三回ノックすれば、中から「どうぞ」と明るい声が聞こえた。

    「失礼、します……」

     やや怯えながら、ドアを開ける。本当、自寮でもない寮の生徒の自室に入るのは緊張する。
     ドアを開けた先では、エミリア・ロンサール先輩が大きな犬と戯れていた。

    「やぁ、君は確か、図書室の持ち出し禁止の本を持ち出したって容疑がかかってる生徒だったよね?」

     僕が犯人だと、断定しなかった。それに内心で嬉しく思いつつ、「はい」と返す。

    「私のところに来たってことは、リア寮長から言われてきたってところかな?証拠品について、何か質問があるのかい?」
    「……その、通りです」

     きれいに言い当てられて、それに驚きながらも頷けば、エミリア・ロンサール先輩はははと朗らかに笑った。

    「それで、その質問っていうのはなんだい?」
    「あ、えっと……」

    *ネクタイピンについて
    *メモについて

    *ネクタイピンについて
    「ネクタイピンについてなんですけど……」
    「ああ、図書館に落ちていたっていう物だね。確認なんだけれど、これは間違いなく君のものなのかい?」

     そう言って、エミリア・ロンサール先輩が机の引き出しから取り出したのは、間違いなく僕のものだった。僕らの寮の色である、黄色い石のついた、友達に誕生日に貰ったネクタイピン。失くしてしまったと思っていたから、見つかったこと自体は嬉しいけれど、こんな形で見つかるなんて……。

    「そうです」
    「なるほど、じゃあ、君が本当に犯人であるという証拠でもあるわけだ」
    「えっ!?あっ、あっ、そっか、でも僕じゃないんです!」
    「どうどう、落ち着きたまえよ、君。まぁ、半分は冗談としてだね」

     半分は冗談じゃなんだ……。

    「君はやっていないと言う。しかし、君の持ち物であるネクタイピンが図書館に落ちていた。これは、どういうことか分かるかな?」
    「……それより前に、僕がたまたま図書館で落としていた、とかですか?」
    「それも可能性としては有り得るね。でも、図書館は毎日綺麗に清掃させていて、落とし物があったら見つけ次第すぐに落とし物ボックスに転移される仕組みだ。ちょっと考えづらいよね」
    「確かに……じゃあ、誰かが僕のネクタイピンを拾って、それをたまたまその日に図書館で落としたとか……?」
    「惜しい!それにしても君、随分とお人好しだね。流石、オウィス・フラーウム寮生だ」
    「あ、ありがとうございます……?」
    「まあそれはさておき。もっと有り得る可能性があると、私は思うわけだよ」
    「と、言いますと……?」
    「……まぁ、言ってしまってもいいか。悪意を持った誰かが、君を犯人に仕立て上げるために君のネクタイピンを図書館に落とした」

     言われたその言葉は、正に目から鱗だった。そうか、そういうことも有り得るんだ……!

    「……でも、どうして?」

     半ば独り言のように呟くと、それもエミリア・ロンサール先輩は拾ってくれた。

    「流石にそこまでは、私の知るところではないね。君自身で調べたまえ」
    「そう、ですよね……ありがとうございます。……ちなみに、それは返していただけるんでしょうか」
    「そうだね、君のものだと言うならば返そう。……と、言いたいところではあるのだけれど。生憎と、これは証拠品になってしまったからね。事件が解決するまでは、私が預かっておかねばならないんだ。すまないね」
    「そうですか……」

    「さて、他に何か聞きたいことはあるかな?」

    *メモについて
    「メモについてなんですが……」
    「ああ、君が普段使ってる席から出てきたっていう、例のものだね」

     言いながら、彼女は机から古びた紙を取り出した。それを机の上に広げる。

    「見るかい?と言っても、君はもう見たことがあるんだっけ」
    「だから、僕はやってないんですってば……」
    「はは」

     机の上に広げられたそれは、古代ルーン文字で書かれていた。……古代ルーン文字、一応取ってるけど、あんまり得意じゃないんだよな。すぐに、なんて書かれているのか分かる程、僕は古代ルーン文字の成績が良くない。 
     ……と言うか。

    「これ、僕が書いたものじゃない……」
    「うん?君はさっきからそう言って……ああ、筆跡のことかい?」

     ひっせき、という聞き慣れない単語に首を傾げれば彼女は「筆の跡、と書いて筆跡と読むんだ」と説明を添えてくれた。

    「なるほど、君は、これは自分が書いたものでは無いと言うんだね。……ただ、これは古代ルーン文字だから、普段使っているものに比べて文字の癖なんかが判別しにくい。昔だったら、筆跡鑑定、なんて技術もあったらしいけど、今は廃れてしまっているしねえ……」
    「そうなんですか……」

     その技術が残っていれば、僕の無罪は証明できたんだろうか。そう考えて、しかしすぐに頭を振る。今はないものを強請ってもしょうがないだろう、と自分に言い聞かせた。

    「あの、ちなみになんですけど……」
    「なんだい?」
    「これ、なんて書いてあるんでしょうか……?」
    「……君、古代ルーン文字取っているって話じゃなかったっけ?」
    「お恥ずかしい話、期末試験も赤点ギリギリだったんです」
    「なるほどねぇ……もし良ければ、時々図書館で勉強会なんかもしてるから、君も参加すればいいよ」
    「そうですね、もし見かけた時は、そうさせてもらいます……」
    「それで、なんて書いてあるか、だけど」
    「はい」
    「これは、図書館についての情報が書いてあるね。ここ、一番上が、図書館に先生が居ない時間。次が、図書館に人が少ない時間。それから、こっちは禁書棚の場所についてと、禁書棚の中で、持ち出す本がどこの何段目においてあるかについて。最後に、禁書棚にかけられている魔法を解く方法が書いてあるね」
    「なるほど……」

    「さて、他に聞きたいことはあるかな?」

    *エミリアの態度について
    「どうして、そんなに親身になってくれたんですか?」
    「……はは、君、面白いねえ。せっかくだし、教えてあげようかな。……今回の件に、酷く心を痛めている人が居てねぇ。私は、その人の心の澱を、早く取り除いてあげたいだけなのさ。だからまぁ、つまるところ君のため、というよりはその人のため、だね」
    「なるほど……?」

    「さぁ、他に聞きたいことはあるかな?」
    「大丈夫です、ありがとうございました」
    「まぁ、真犯人捜し、頑張ってくれたまえよ。私も、事件が解決することを祈っておくさ」


    ③一度フェデリーコ先輩の元へ戻る
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