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    Tyon。

    五悠を書いています。
    誰かに刺されば嬉しいです!

    @yon_472

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    Tyon。

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    五悠です。
    視線⑤ 悠仁視点

    再会してからの二人のお話

    #五悠
    fiveYo

    視線⑤ 見ているよ「え?!卒業した後、七海の所に居たの?!」
    「居たわけじゃないよ。仕事では世話になっていただけ」

    朝食中に今までどうしていたかの話をすると、先生は持っていた卵焼きを皿の上に落とした。

    先生と再会したあの日から、先生と暮らすことになった。暮らし始めてからもうすぐ2週間。
    積もる話もすむんで、一緒に過ごせなかった過去を取り戻す様に、今を過ごしたい。そんな思いから、同棲しようと話が進み、こうして朝食を共にしている。

    「同じだよ。七海を頼るくらないなら、僕を頼ってくれたら良かったのに!」

    態とらしく頬を膨らませる先生は、高専の時には見ることができなかったから新鮮だ。

    「しょうがないだろ。俺は振られて、先生のこと忘れたかったんだから…」
    「てかさ、それ。前にも言ってたけど、僕告白されてないよね?」
    「え…?」
    「ん?」

    落とした卵焼きをたま箸で掴み口へ運ぶ先生は、疑問の視線を送ってくる。

    「したよ!卒業式の日、大好きだよって!」
    「いやいや、あれじゃ分からないから。こっちは、悠仁に脈なしだと思ってたんだよ?伝わるわけないでしょ」
    「伝わって…なかった?」

    俺が振られたと思った気持ちは、そもそも伝わっていなかった。勇気を出して伝えた言葉は、何かが始まるきっかけにもならなかったことを知った。

    「俺、振られたて思ったから…先生を忘れようとしてたのに。あぁ!バカみたい!」

    恥ずかしくなり、茶碗の白米を口の中へかき込んだ。

    「まぁ、いいじゃない。忘れられなかったから、今こうしているんだし」

    口から茶碗を外すと、先生の手が伸びてきて頬に触れる。その手は先生の口へと戻り、米粒をぺろっと食べた。
    その仕草を見ると、頬が熱くなった。

    「もっと早く伝えていたら、もっと長く先生と居れたのかな…」

    そんなことを呟いた。
    食べ終わった食器を重ね、俺の後ろの流しへ運ぶと、先生は諭す様に話しはじめる。

    「あの時に気持ちを告げて、こうなっていたら、きっとあの時にしか味わえない感覚はあったよね。でも、その分失うものもあったでしょ」
    「…」
    「僕は悠仁対しては、超〜独占欲強いんだよね。誰にでも優しい、人たらしな悠仁くんだからは、誰の目にも触れさせたくなくて、たぶん監禁してた。うん、間違いないね」

    先生のことだから「早く伝えてよ!」と言ってくると思っていた。だから、そう返ってきて拍子抜けした。

    「それに色んなことを学んで、選択して、その結果、僕の所に来たんだと思うよ。だから、今こうなったことに意味があるんだよ」

    後ろから抱きしめられる。その温もりが、最近当たり前になりつつも、やっぱり嬉しい。

    「そうだね。今だから意味があるのかも」

    抱きしめられた先生の手に左手を添えると、その手を取られた。
    そして、広げられた指に何か硬い輪っかが通される。

    「…これって」
    「悠仁、結婚しようか」
    「…っ!!」

    下唇を噛んで沸き上がる水分を堪えた。
    その様子を、後ろから見ている先生から温かい笑い声が聞こえてくる。

    「ふふ…返事は?」
    「…っ、はい!」

    座っていた椅子を勢いよく立ち上がり、先生の首に腕を回していた。先生の唇に自分の唇を強く押し当てると、先生の腕が背中に回わされる。

    「最近の悠仁は、よく泣くね」
    「五条先生のせいだよ…」
    「悠仁の泣き顔を見たことあるのも、僕だけだね」

    そう笑って抱きしめてくれる。
    朝起きて、寝巻きのまま食べる朝食。そんな時に、まさかプロポーズされるとは思わなかった。驚きと嬉しさで、やっぱり涙が止まらない。

    「もうー!先生、大好き!」
    「僕もだよ!」

    お揃いのスエットで抱き合って、こんなに幸福に満ちた朝は初めてだ。
    先生は首に回った俺の腕を解いて、また左手を取ると、先生がはめてくれた指輪にキスを落とす。

    「これからは色んな悠仁を、ずっと側で見ているよ」

    部屋を満たす旭光で輝く青色の瞳は、真っ直ぐ俺を見つめるその瞳は、俺の全てを見ていてくれる。
    昔も今も、大切な視線。
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